2011年3月31日木曜日
勤務中の震災被害、労災認定へ 厚労省が方針
東日本大地震で事業所や作業場が倒壊、焼失したり、大津波で流失したりして勤務中に被害に遭った人について、厚生労働省が労災認定する方針を決めたことが31日、分かった。阪神大震災の時も同様の措置を取った。
三陸地方は明治三陸地震(1896年)など、何度も津波被害を受けているため、津波による被害を「危険な環境下で仕事をしていた結果」として、災害と業務の因果関係を認めた。大地震の発生が午後2時46分ごろと平日の昼間で勤務中の人が多かったため、対象者はかなりの数に上るとみられる。
厚労省によると、30日までに2件の労災申請があった。岩手、宮城、福島の各労働局は避難所などで労災に関する出張相談をする予定。厚労省は「事業主や医療機関の証明書がなくても受理する。近くの労働基準監督署に問い合わせを」と呼び掛けている。
労災と認められるのは事業所、作業場の倒壊や水没、焼失で被災した場合や、避難中や救助中、通勤中に巻き込まれた場合。休憩時間中も適用される。認定されれば遺族年金や一時金、葬祭料のほか、けがの療養費や休業補償が支払われる。
行方不明者については本来、不明になったときから1年後に死亡とみなされた場合に請求ができるが、今回は特例として1年以内でも認定することを検討している。
阪神大震災は発生から1年で472人が労災申請し、申請者としての要件を満たさなかった2人を除く470人(うち通勤中86人)が認定された。発生時間が午前5時46分と多くの人が勤務時間前の早朝だったため、被災者数に比べ申請者は少なかった。
2011年3月31日付(共同通信)
続きは・・・http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011033101000023.html
2011年3月29日火曜日
「震災復興への道」ポイント速報
自民党から民主党政権に変わり、鳩山首相(当時)が「コンクリートから人へ」という標語を掲げたときに、私は「コンクリートも大事だ」と言ったが、その正しさが証明された。津波で多くの家や車が流されたが、津波が引いたあとにコンクリートでできた堤防は微動だにせず残っている。つまり、堤防をもう一段大きな津波に耐えられるところまで築いておけば、あの津波の被害は避けられたということ。これだけの人命と財産が失われて初めて、それが無駄金ではなかったと分かる。
堤防がマックス20メートル、せいぜい15メートルあっただけでも、かなりの災害が防げた可能性はある。普段から高いと景観が悪くなるというなら、非常事態のときにだけせり上がってくる堤防も技術的にあるので、つくることも可能だったはず。それは、国のインフラにもなったし、失業対策にもなった。今後、港部分をシャットアウトできるようなものをつくっておくことは、防災対策だけでなく国防対策にも重要な面がある。
鳩山前首相の最初の仕事が八ツ場ダムの建設中止だったが、水力発電の持つ意味を考えなければならない。アラビア半島からわざわざタンカーで日本まで重油を運んで、コンビナートに入れて火力発電に回さなくても、水力発電なら自然の力でエネルギーを永久につくり出すことができる。原子力発電やコンビナートは戦争などが起きたときに真っ先に狙われるので、その意味でも水力発電は馬鹿にしたものではなく、ダムの中止は大きな判断ミス。
防災と国防は非常に似ているので、「備えあれば憂いなし」のところがある。何事も起きないことは、生命、安全や財産を守っていることになり、それが平和裡に経済活動ができるためにも非常に大事なことである。
原発の研究・開発は続けるべき
原発は危険性がいろいろ言われているが、少量のプルトニウムから半永久的にエネルギーを取り出すことができ、人類にとっては便利。放射能漏れの心配については、大きな震災や攻撃のときに、どれだけ安全度を高めるかということを研究するなどの対策を取るべき。緊急時のシェルター構造を一回り外側につくり、半径数百メートル以内で完全にシャットアウトする方法はある。そうした方法の研究にお金を惜しむべきではない。
原発に替わるエネルギーの調達源が出てこないかぎり、簡単に手放してはいけない。石油に頼ったエネルギー経営をすると、国防上も非常に危険。産油国に経済を翻弄されることになり、インフレでも起こされる状態になるし、台湾が中国に併合されたら、石油地帯から日本への航路が完全に中国海軍の支配下に置かれて、日本に石油が入らなくなる。
また、将来的には原子力潜水艦も持たなければいけない。本国がミサイルなどで壊滅的な攻撃を受けても、原子力潜水艦は、給油艦からエネルギーを供給しなくても、半永久的に動き続けて海の中から反撃できるため、抑止力になる。そうした効果からも、原子力に対する恐怖症があまり増大するなら冷まさなければならない。
至急、都市計画を考えよ
世界の主要都市はかっちりとした高層建築をいっぱいつくっているにもかかわらず、日本は建物が小さく低い。津波に流されないように、一定以上の重量と大きさのある建物をつくる必要がある。
空に対する権利意識と利用意識が低く、空中権を十分に使い切っておらず、航空機部門や宇宙産業など日本が今遅れを取っているところをもう一回見直す必要がある。
地下室部分もまったく使っていない。アメリカだと、地下室や庭に防空壕を持っている家がほとんどで、ハリケーンが起きたらそこに逃げる。これは、震災時だけでなく戦時でも避難できるようになっている。
小さい道路が多すぎるため、もう少しきちっとした道路をつくらなければならない。
無担保・無利子の融資を
日銀が比較的早く資金供給を決めたこと自体はよかった。しかし、そのあと円高が進んだ。それは、需要、供給の関係から言って、現在円が不足する方向にあるということ。戦争のときには強い国の通貨が上がるが、大震災が起きて円高になったのでクラッときた。これは、どれほど資金の市場への流通が絞られていたか分かる。震災があってはじめて15兆とか20兆出すと言っているが、震災の前に出さなければいけなかったもので、後手後手も「ここに極まれり」。
日銀が市中銀行を通じて資金供給しても、民間企業に行き渡っているとは限らない。日銀総裁、理事、局長は、水戸黄門よろしく、工場や会社、マンション、建築現場をちゃんと見て回り、お金が出ているかどうか見て歩く必要がある。現場主義経営をしなければいけない。
特別法が必要。10年くらい無担保・無利子で貸すくらいまで踏み込まないと復興できない。とりあえず15兆から20兆円回れば復興可能な範囲内。
防災と国防を同時に考え、大規模投資すべきとき
もう一つ、政府がやるべきは財政出動。しかし、今の民主党政権は、いかに要らないかといい続けてきたので、このマインドを変えるのは実はきつい。
臨時増税をやりそうな雰囲気があるが、不況期に増税をかけたら不況が進む。企業活動は停滞し、消費活動は停滞し、もっと景気が悪くなる。これは火事場泥棒。やめてもらわないといけない。
東北地方を中心にインフラの再開発をもう一回しなければならない。
堤防もダムも無駄ではなかった。国債を発行してお金を集めても、国の財産になる。
空港も無駄ではない。時間を縮める方向に働くものは何であれ有用だということは知らなければならない。ヘリコプターの使い方もまだまだ下手で、空に対する視点が極めて欠けている。
将来、日本の国土が2倍、3倍の資産価値を持つようにつくり変えていくことが大事。防災と国防を同時に考えるべきときが今来ている。大規模投資のとき。
人口増加と常勝思考が今こそ必要
これを機に、「出産もまたがんばってやりましょう!」「人口増やしましょう!」ということも同時に言ったほうがいい。
未曾有の被害を最大限にプラスに転じる常勝思考が今必要。
質疑応答
震災対策をきちっとつくっておく
地方主権は何の役にも立たない
高い堤防は景観が悪くなるというなら、道路を上げればいい。堤防の内側の道路を高速道路のように下駄を上げて高いところを走らせればいい。あるいは、高さがほしければ、水族館のような水に負けない強い強化ガラスを上に張り巡らせてもかまわない。
インフラで震災対策はしたほうがいいので、いざとなったら逃げられる時間内にたどり着けるくらいの街のブロックごとに、震災のときに避難できるようなガシッとした建物を建てておくことが大事。
鉄筋コンクリートの中で野菜工場をつくって、今後の食糧不足に備えた供給体制をつくらなければいけない。農村部の青年層も働き甲斐があるし、同時に株式会社組織などへの切り替えも十分にやっていけるチャンスがある。
防衛施設についても、防災的な観点を考えておかないといけない。山ぐらいくり抜いて、ジェット機や大型輸送機が防衛出動、災害出動できる基地をつくっておくことも東北なら可能かと思う。
電気系統を震災に強いかたちの、頑丈に守られた筒みたいなものに集約して、地下に埋めるなり、地上でも景観をよくしながら通していくことが大事。同時に、病院や学校など避難場所になるような大きなところでは緊急時の補助発電ができるようなシステムをきちっとつくっておく必要がある。
水不足も考えられるので、海水を売り物に変える技術を研究したらいい。
飛行場も必ずしも海抜ゼロメートルばかりにつくらなくてもいいのではないか。今回のように海没したら使えなくなる。特に自衛隊が動かなくなっては困る。
空母も震災対策機能は非常に高い。豪華客船以上の収容力がある。上にヘリコプターや輸送機を載せられるので、いざというときは人を運んできたり、出したり、戻したりできる。震災対策空母などを考えるべき。
民主党政策の問題の一つ、地方主権が何の役にも立たないということもまざまざと見せつけた。「その街でがんばってください」「市でがんばってください」と言われても、丸ごとなくなっているからどうしようもない。国家に力がなかったら復興不能。今回のを見て、国丸ごと力を合わせないと難局は乗り切れないということを再認識しなければいけない。
復興に関しても国家としての主体性を発揮してもらいたい。国のお金を使うにしても、地方自治体に丸投げして「好きなようにしてくれ」とか「一戸あたりいくら支給する」ということだけで終わりにしてほしくない。やはり国家の将来的な改造ビジョンを出すべきとき。
正しいことを「正しい」と言い切れる人のほうが大事
価値観の問題も大きな国の方向を決める問題なので、何がこの国を守り、何がこの国を発展させるのかということはやはり重要なことだと考えなければいけない。
無駄金削りをやった蓮舫さんと石原都知事が話して、石原さんが「スーパー堤防はやっぱり必要だった」と言って5分で会談が物別れになっていたけど、石原さんのほうが正しいと思う。
石原さんは「これは天罰かもしらん」ということを言っていたけど、宗教をやった人はそう考える。「天罰かも」と言ったのは民主党政権への天罰と言いたかったのだろうが、国民に対するある意味での警告はあったと見ていいと思う。
ハーバードのマイケル・サンデル教授が「正義とは何か」といくら白熱教室をやっても、人に意見を言わせているだけで結論なんかない。やはり結論を「こうすべきだ」と言っている人のほうが、今は大事な時代なんだということをもう少し知らなければいけない。「こうすべきだ」と言う人のほうが、勇気が必要だし、実際に「これが正しい」と言い切れる人のほうが大事。
少数意見を大事にすることも大事だし、炊き出しすることも大事かもしれないが、国家、国益のレベルから見れば、やはり最大多数の最大幸福を目指すということは当然のこと。
続きは・・・http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=1564
2011年3月23日水曜日
福島原発3号機の給水ポンプの状況を確認、4号機には放水=東電
[東京 23日 ロイター]
東京電力<9501.t>は23日会見し、福島第1原子力発電所の3号機について、原子炉に水を注入する給水ポンプが稼働するか確認作業を進めていることを明らかにした。ポンプやバルブが作動することを確認し、早期に注水を開始する予定としている。
東京電力は22日までに、1─6号機すべてで外部電源の受電を確認した。これにより、使用済み核燃料の継続的な冷却作業が急がれるとされる3号機と4号機で、原子炉建屋内の設備を操作する中央制御室を再稼働できる可能性が高まっている。
また東電は1、4号機についても、外部電源を使って原子炉の圧力を測定する計器類などが作動するか、確認作業を進めているという。
一方、1号機では給水ノズルの温度が23日午前6時の段階で400度に上昇し、前日の380度台から緩やかに上昇する傾向にあったが、東電によると、23日午前11時の速報値では360度程度に下がった。23日午前2時半過ぎに、消防ポンプ車からの海水の注水ラインを、緊急炉心冷却装置(ECCS)系から別の系統の給水系に変えたことが功を奏しているとみられる、としている。
放水作業については、23日午前10時ごろからコンクリートポンプ車を使い、4号機の使用済み燃料プールへの放水を開始した。他号機への放水作業は、今後もプールの状況を確認しながら準備が整い次第実施する予定だ。
2011年3月23日付(朝日新聞)
続きは・・・http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201103230055.html
震度5強の余震2回 警戒を
23日朝、東北の太平洋沿岸の巨大地震の余震とみられる強い地震が相次ぎ、福島県で2回、震度5強の揺れを観測しました。気象庁は引き続き、強い余震に警戒を呼びかけています。
23日午前7時12分ごろ、福島県浜通りを震源とするマグニチュード6.0の地震があり、福島県いわき市で震度5強を観測しました。その20分余りあとの午前7時36分ごろにも福島県浜通りを震源とするマグニチュード5.8の地震があり、再び福島県いわき市で震度5強を観測したほか、茨城県鉾田市で 震度5弱を観測しました。今月11日に起きた巨大地震の余震で震度5強以上を観測したのは今月19日以来です。気象庁によりますと、今月11日の巨大地震のあと、東北から関東の広い範囲で余震が続いていて、これまで震度4以上の揺れを観測する余震はこれまでにおよそ70回に上っています。気象庁はこれまでの余震の推移について、日を追うにつれて回数は少なくなっているものの、今後もマグニチュード7以上の余震が起きる可能性があり、震源の近くでは震度6弱から6強の激しい揺れとなるおそれがあるとしています。被災地の建物は、これまでの地震の揺れや津波で損傷を受けていて、余震で倒壊するおそれがあるうえ、大きな余震で津波が起きるおそれもあるとして、引き続き、強い余震に警戒するよう呼びかけています。また、23日朝の被災地は、各地で0度前後の厳しい冷え込みになり、気象庁は被災した人の中には、避難生活で体調を崩す人も出ていることから、体調の管理に十分注意してほしいとしています。
2011年3月23日付(NHK)
続きは・・・http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110323/t10014841751000.html
2011年3月19日土曜日
福島第1原発:1、2号機通電へ 非常用発電機が一部起動
東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発の事故で、政府と東京電力は19日、冷却機能を取り戻し、外部電源を復旧するためのケーブルの敷設作業を継続した。作業は建屋が壊れておらず外から放水できない2号機から優先的に行い、1、2、5、6号機も同日中に復旧させる予定。経済産業省原子力安全・保安院は「5、6号機については使用済み核燃料プールの冷却ができる見通しがついた」と発表した。
保安院によると、これまで唯一非常用ディーゼル発電が起動していた6号機で、2台ある非常用ディーゼル発電機のうち、津波で止まっていた発電機を点検したところ、起動することができた。また、使用済み核燃料プールの温度が上昇しつつある電力を共有している5号機でも、プールを冷却するポンプが稼働した。
保安院は「原子炉建屋に外部電源が入れば、多くの機器が動く。地震などの影響で動かないものも多いだろうが、うまく電源をつなげて作業を行いたい」としている。
一方、東京電力は19日、福島第1原発で復旧作業中の作業員について、放射線の累積被ばく総量限度の100ミリシーベルトを超え始めたことを明らかにした。
東電によると、同原発内では18日朝現在、関連企業を含め279人が復旧作業中。全般的に放射線量が高く、構内の建物内でも100ミリシーベルトに近づく作業員が増えていた。こうした中、野外で作業するなど複数の作業員が100ミリシーベルトを超え始めたという。東電は限度を150ミリシーベルトに引き上げると共に、作業員の放射線量の管理を徹底する方針。
国は既に、同原発で緊急作業に当たる作業員に限り、被ばく線量の上限を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトへと引き上げている。
2011年3月19日付(毎日新聞)
続きは・・・http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110319k0000e040060000c.html
2011年3月18日金曜日
【原発】自衛隊消防車の放水終了 福島第一3号機
福島第一原発3号機への放水作業は18日午後1時55分から始まりました。自衛隊は特殊消防車7台を使い、約50トンの水を使用済み核燃料の冷却のため放水しました。在日米軍から提供を受けた特殊放水車1台も参加しました。また、東京消防庁のハイパーレスキュー隊やポンプ車など28台も午後1時半過ぎ、福島県いわき市を出発し、福島第一原発での注水作業を行うために現地に向かっています。
福島原発3号機に放水50トン 自衛隊など
自衛隊などは18日午後、放射能漏れの危機が続く東京電力福島第1原子力発電所の第3号機に向けた放水活動を再開した。地上からの放水は17日に続いて2回目。車内から放水できる自衛隊の消防車7台に加え、米軍が提供し東電が操作する消防車1台も参加する。
自衛隊員は約30人体制。消防車7台に計50トンの水を積み込んでおり、1台ずつ順番に放水する。米軍提供の消防車1台は東電職員が防護服を着用し、車外から放水するとみられる。現場の指揮や本部とのやりとりは、同行した化学防護車2台に乗り込んだ隊員が担う。一連の作業は1時間で終わる見通し。
2011年3月18日付(日本経済新聞)
続きは・・・
阿部リポーター全治3ヵ月「なんとも無念」
2011年3月17日木曜日
経産相「予測できぬ大規模停電の恐れ」 今夕の節電訴え
海江田万里経済産業相は17日午後の記者会見で、「朝が大変寒かったので8時、9時に大変電力の消費が伸びた。本来であれば需要が最も高くなるのが夕方から夜にかけてであり、このままいくと予測不可能な大規模停電が発生する恐れがある」と懸念を示した。
そのうえで「産業界には電力消費を抑えていただき、個人消費者も抑えていただくことをぜひお願いしたい」と協力を呼び掛けた。〔日経QUICKニュース〕
2011年3月17日付(日本経済新聞)
2011年3月16日水曜日
特集ワイド:東日本大震災 福島原発事故、専門家に聞く 最悪の事態、制御できるのか
東日本大震災による東京電力福島第1原子力発電所の被災は、高濃度の放射能漏れという最悪の事態に発展した。政府は国民に対して「冷静」を求めるが、なぜ、原発の暴走を制御できないのか。安全は保たれるのか。それぞれの立場から専門家に聞いた。
◇まずは外出せぬこと--名古屋大教授・量子工学専攻、井口哲夫さん(56)
今回の事故では、既に放射性物質のセシウムが周辺に放出されている。放射性物質が発する放射線は、細胞の遺伝子を傷つけてがんの発生リスクを高める。大量に被ばくすると直ちに人体に影響が出て、リンパ球の減少などが起きる。リンパ球をつくる骨髄は特に放射線のダメージを受けやすいからだ。
一般人の1年の被ばく限度は1ミリシーベルト。15日に3号機周辺で記録された放射線量は時間当たり400ミリシーベルトでその350万倍。リンパ球の減少が起きるとされるのは累計500ミリシーベルトで、観測した場所に1時間半程度いればその値に達する状態になった。
セシウムなどは静止状態では地面に落ちるが、風に乗ればほこりなどに付着して遠くに運ばれ、最後には路面や家の屋根に落ちる。外に干した洗濯物、歩いている人の衣服や皮膚にもくっつく。既に避難や屋内退避の指示が出ている地域は、そこの屋外に長時間いれば健康を害する恐れがあると、国も認めているということだ。
放射性物質が飛来する危険が迫った場合はまず外に出ないこと。体に付いた可能性があれば、セシウムなどは水に溶けるので、手洗いしたり、シャワーを浴びれば落ちる。一番大切なのは体内に入れないことだ。放射線を出す能力が半分になる半減期はセシウムで30年。粘膜などに付着すると、長期に影響が出る。外出する必要があるならマスクやゴーグルを着け、ぬれたタオルで鼻などをふさぐのが効果的だ。
自分が住む地域の放射性物質の量がどの程度かは気になるだろう。自治体は放射線量を測定するモニタリングポストを設置しており、公的な情報に注意してほしい。数値が大きく変動しなければ過剰な心配の必要はない。通常なら時間当たり0・1マイクロシーベルト程度。100倍でもまだ、人体に影響が出る程度ではないとみられるが、心配ならば、食べ物は水洗いすればいいだろう。【宮田哲】
◇気になるのは2号機--元原子炉設計技術者の科学ライター・田中三彦さん(67)
直接目で見ることも近づくこともできないから、肝心の「原子炉圧力容器」や、それを格納する巨大なフラスコのような形の「格納容器」中でいったい何が進行しているのか誰にも分からない。その状況で作業をせねばならないところにこの問題の深刻さがある。
多くの人の命がけの作業にもかかわらず、12日に福島第1原発1号機は水素爆発を起こし、翌々日には3号機がより規模の大きい水素爆発を起こした。一方、2号機は14日、原子炉圧力容器内には冷却水がほとんどなくなり、燃料棒がむき出しになった。そればかりか、格納容器の一番下にある「圧力抑制プール」というドーナツ形の構造物の近くで爆発音が起きたとの発表や、圧力抑制プールが損傷したらしいとの報告もあった。断定はできないが、恐らく圧力抑制プールの中で水素爆発が起き、そのために損傷したのだろう。損傷が大きければ、圧力抑制プールから放射性物質が格納容器の外にばらまかれた可能性もある。さらに4号機でも突然火災が起きた。5号機、6号機の燃料貯蔵プールの温度が上昇しているという報告もあった。地震発生時に定期検査中だった4~6号機にいったい何が起きつつあるのか、これも気がかりだ。
福島第1原発のうち特に気になるのは2号機。考えうる最悪のストーリーは、燃料棒が溶けて原子炉圧力容器の底に落下すること。原子炉圧力容器や格納容器は鋼鉄製だが1500度ぐらいで融解する。大量の燃料棒が溶融して落下すれば、やがて原子炉圧力容器の底は溶けてしまうだろう。“その後”どうなるかは誰にも分からないが、地下水脈に触れて大規模な水蒸気爆発を起こす可能性もある。そうならないようにと、2号機の原子炉圧力容器への必死の海水注入作業が試みられている。この深刻な事態が一刻も早く沈静化されることを祈らざるを得ない。【本橋由紀】
◇悪条件が重なった--近畿大原子力研究所長・伊藤哲夫さん(62)
高濃度の放射能漏れが起き、想像を絶する大変な事態になった。残念だが、想定した以上のことが起きた、としか言えない状況だ。
福島第1原発は、これまでの災害から考えられる安全対策を、何重にも施してきたと考えている。
マグニチュード9という大地震は海外では起きているが、国内では予想を絶する大地震だった。それによって、次第に手の打ちようがないところまできている。
建設時の安全審査においては地震規模はマグニチュード8程度を想定し、さらに地震を起こす断層は13万年前までさかのぼって調査していた。ここは1971年に営業運転を開始しているが、古いから悪い、というものではないと私は思う。
1号機、3号機の爆発は水素爆発による原子炉建屋の破壊だった。2号機や4号機でもそれぞれ爆発や火災が起きている。対策としては、原子炉の中を少しでも冷やせる状態を確保して、事故の拡大を防ぐことに全力を注ぐしかない。
東京電力は詳しい情報をもっと速やかに出すべきだと指摘されているが、今は人災だと責める段階だとは言えないと思う。
そもそもインフラが切断されてしまったので、冷却処理するための水、さらには作業のための電源も確保ができなかった。これは考えられないことだった。悪条件がすべて重なってしまったのだ。「誰の責任だ」とは言えないだろう。
福島第1原発で次々と爆発が発生し放射能漏れが伝えられるが、そのたびに菅直人首相は記者会見において、国民に冷静な対応を求めている。政府が避難指示を出している限りは、それに従ってほしい。
今回事故のあった原子炉が今後どうなっていくのかも、今は予測ができない。ただ、原子力発電の先進国・日本のこの事態を受けて、世界的にも原子力行政の見直しが進んでいくのではないか。【江畑佳明】
◇想定すべき人災--ノンフィクション作家・広瀬隆さん(68)
これは人災だと考えています。その責任の所在は東京電力だけでなく、菅直人政権、経済産業省の原子力安全・保安院、原発を推進してきた大学や大学院教授らにもあると言えますよ。
津波発生は日本の宿命で、1896(明治29)年の「明治三陸沖地震」では高さ38メートル以上の津波が起こっている。だから「想定外」という表現は当たらない。想定すべきだったんです。
原子炉設備とその周辺には膨大な配管、配線があって、津波と地震の揺れで相当な影響を受けたと見るべきです。電源系統がだめになっているから、非常用のディーゼル発電機が動かなかった。
配線にダメージを受けている中で、コントロールルームが機能しているのか。膨大なデータを処理する能力が維持されているのか。計器を信用してよいのか。それも分かりません。
そもそも、東電は原発の単なる「運転者」なんですよ。詳細な構造は原発メーカーの技術者でないと分からない。保安院の職員も分からない。これを解説している学者も「現場」を知らない。
メディアはなぜ、東電や政府の発表を垂れ流すのでしょうか。放射能が漏れていても「直ちに人体に影響を与えない」と繰り返しています。しかし、発表されているのは1時間当たりの数値。365日×24時間で計算してみなさい。想像力もなく、レントゲン並みとか自然界の何分の1と報道している印象です。漏れるという「異常」に対する驚きも怒りも薄れている。
福島から排出された放射線は宮城県の女川原発付近でも検出されましたし、風向きによって関東地方にも達しています。
仮に最悪の事態に至ったならば、放射能汚染は1週間ぐらいかけてじわじわ列島を包んでいく。逃げる場所は全くありません。
これが原発の震災、人災なんです。
続きは・・・http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110316dde012040006000c.html
2011年3月15日火曜日
第一原発20~30km圏に屋内退避要請…首相
菅首相は15日午前11時から、首相官邸で国民に向けたメッセージを発表した。
同日早朝に東京電力福島第一原子力発電所2号機で爆発音が起き、圧力抑制室の一部が損傷したことなどを受け、「周囲に漏えいしている放射能の濃度がかなり高くなっている」として、「第一原発から20キロ・メートル以上、30キロ・メートルの以内の範囲の皆さんには、今後の原子炉の状況を勘案し、外出せず、屋内に退避して頂きたい」と述べた。
首相は「何とかこれ以上の漏えいの拡大を防ぐことができるように、全力を挙げて取り組んでいく。国民には冷静に行動するよう、心からお願いする」と述べた。
2011年3月15日付(読売新聞)
続きは・・・http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110315-OYT1T00347.htm?from=top
2011年3月14日月曜日
笑っていいとも
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福島第一原発3号機が2回爆発、水素爆発?
東京電力は、14日午前11時ごろ、東京電力福島第一原子力発電所3号機で、2回にわたって爆発音が上がったと発表した。
大量の煙が立ち上っており、東電は施設内の作業員を退避させている。
経済産業省原子力安全・保安院は、同日11時1分に水素爆発が起きたと確認。詳細は不明だが、周辺住民に避難をよびかけた。
3号機は原子炉建屋内に水素ガスがたまり、水素爆発の危険が指摘されていた。
2011年3月14日付 (読売新聞)
続きは・・・http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110314-OYT1T00313.htm?from=top
2011年3月13日日曜日
東北地方太平洋沖地震
3 月 11 日午後 2 時 46 分ごろ、マグニチュード 8.8 を記録する地震が東北地方太平洋沖で発生し、停電や火災、津波などの被害が拡大しています。このサイトでは、災害に関する情報や被害状況をリアルタイムで更新していきます。
この地震の影響により、太平洋沖諸国においても津波警報・注意報が発生しています。
緊急用ダイヤル:
171 + 1 + 自宅の電話番号(市外局番からダイヤル)で伝言吹きこみ
171 + 2 + 自宅の電話番号(市外局番からダイヤル)で伝言再生
続きは・・・http://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011.html
2011年3月12日土曜日
死者・行方不明者 1000人超に
【地震】放射能含む蒸気逃がし減圧 福島第1原発
2011年3月9日水曜日
外務大臣に松本副大臣昇格 「遅い決断」に批判も
民主党幹部によると、菅総理は当初、9月まで外務大臣を務めた岡田幹事長に内々で出戻りを打診し、立て直しを模索しました。ただ、岡田幹事長は幹事長職を続ける意思が固く、打診を固辞した模様です。このため、菅総理は松本副大臣の昇格の検討に入りましたが、外国人の献金問題などの身体検査に時間がかかるなど、3日間の空白を生む結果になりました。この間、セネガルの外務大臣が来日をキャンセルするなど外交に影響が出ました。
枝野官房長官:「(前原前大臣が辞任して)2日間は後任の手続きが取れないということは、総理の日程上、国会との関係上はっきりしておりましたので、逆に、だとすればその間じっくり考えをということだった」
党内には、予想通りの人事ならなぜ早く決めなかったのかと菅総理の決断の遅さに早くも批判が上がっています。
福祉ナビ:色覚障害者に配慮したカラーユニバーサルデザインとは。
◆色覚障害者に配慮したカラーユニバーサルデザインとは。
◇色数絞りシンプルに 案内表示、電子掲示板…公共施設で普及進む
地図、乗り換え案内、電子掲示板……。街にはさまざまな色の表示があふれているが、色を区別しにくい人にはかえって分かりづらいこともある。そこで注目されているのが、色覚障害があっても情報が伝わるように配慮した「カラーユニバーサルデザイン」(CUD)だ。公共施設などで取り入れる動きが広がりつつある。
東京都足立区の男性会社員(36)は、銀行や病院の窓口にある番号呼び出し機の数字が読み取れない。一般的な呼び出し機は黒いボードの表面に赤い光で数字が点灯するが、赤と黒を識別できない障害があるため、数字と背景の違いが分かりにくいのだ。
こうした住民の声を受け、区は09年、庁舎内の住民票窓口などにある表示機を数字が白色に点灯するものに変えた。男性は「これまでは自分の番号が来るまで機械の呼び出し音にずっと注意していなければならなかった。小さいことだが助かる」と話す。
足立区は08年以降、公共施設や住民サービスに順次CUDを導入している。その一つが防災マップ。以前は多くの色を使って避難所の区域を示していた。一般の人には見やすかったが、色覚障害のある人は紫とピンクの違いが分からず、緊急時に役立たない可能性があった。現在のマップは4色に絞り、白抜き文字なども多用して見やすくした。
昨春開校した足立区立の小中一貫校「新田学園」では、校内の案内表示板の配色をシンプルにし、現在位置だけをオレンジ色にして、白抜き文字で「現在地」と表示。トイレの位置も分かりやすくした。区学校施設課は「使う色をできるだけ減らし、知りたい情報が浮き出るようにデザインした」と説明する。
また、「学校の黒板の文字は白や黄色の見やすい色を使う」「カラー印刷物は明るい色同士、暗い色同士の配色を避ける」など、CUDを行政サービスに生かすための25項目のチェックリストを作成。職員らに徹底を求めている。
視覚障害のマークは「太陽」、聴覚障害は「鳥」、知的障害は「葉っぱ」--。今年4月に開校する神奈川県立相模原中央支援学校(相模原市)では、教室のドアを障害別に色分けするとともに、それぞれにシンボルマークをつけ、色覚障害がある子にも分かるよう配慮している。田中宏明教頭は「どんな障害があっても生活しやすいように工夫した」と話す。
神奈川県は09年に「みんなのバリアフリー街づくり条例」を制定。業者が病院やホテルなど公共性の高い施設に標識などを設ける際、県と事前協議することを義務付けた。
しかし、こうした自治体はまだ少数だ。NPO法人「カラーユニバーサルデザイン機構」の田中陽介事務局長は「CUDを担当する部署が福祉なのか都市計画なのかはっきりしないことも一因だ。先進的な自治体を参考に、行政組織の中で横断的に取り組んでほしい」と指摘する。
民間の取り組みは公共交通機関を中心に進んでいる。大阪と神戸、京都などを結ぶ阪急電鉄は昨年3月のダイヤ改正で、駅に掲示する時刻表案内板にCUDを導入した。
これまでの同社の時刻表は、特急の出発時刻を赤色、準急を緑色にしていたが、色覚障害がある京都市の白浜徹朗弁護士(51)が「赤と緑が区別できない」として、京都地方法務局に人権救済を申し立てた。これを受け、同社は見分けやすい色調に変えた。
白浜弁護士は「私の場合、見づらいものは人間が作り出したものが多い。作り手が見やすいものを作るように配慮するだけで、世の中はもっと暮らしやすくなるのではないか」と話す。
都交通局でも大江戸線など4路線で、運賃の掲示板を色弱者が分かりやすいものに交換している。【中西拓司】
◇先天性の色覚障害、男性の20人に1人
先天性の色覚障害は男性の20人に1人、女性の500人に1人の割合で起きると言われている。障害の程度が重く視界全体がモノクロに見えている人もいるが、大半の人は複数の色が組み合わさった時に識別しにくい程度という。
東京女子医大非常勤講師の中村かおる医師(眼科)によると、見えにくくなるのは、例えば(1)赤と緑(2)緑と茶色(3)青と紫--などが隣接した場合という。中村医師は「自分の見え方の特徴を把握しておくことも大切だ」と指摘する。
2011年3月9日付(毎日新聞)
続きは・・・http://mainichi.jp/life/health/fukushi/news/20110309ddm013100179000c.html
2011年3月7日月曜日
ワクチン再開「国の責任で」 宝塚・西宮市、要望へ
小児用肺炎球菌ワクチンやインフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチンの接種後に乳幼児4人が死亡した問題で、2歳男児が死亡した兵庫県宝塚市は6日、国に対し、接種を再開するか否かは国の責任で判断することや、副反応の過去事例の洗い直しなどを求めることを決めた。1歳女児が亡くなった同県西宮市も同様の要望を検討中で、7日に両市長が厚生労働省へ出向いて要望書を提出する。
宝塚市の要望ではほかに、死亡事例の詳細な情報開示▽海外の事例の情報収集と開示▽厚労省の会議の公開▽遺族への十分な経過説明▽調査スケジュールの開示▽研究班づくり――などを求める方針。
この日、中川智子・宝塚市長は「因果関係はわからないが、このようなことが続いて起きてはいけない。再開には慎重であってほしい」と話した。
2011年3月7日付(朝日新聞)
2011年3月4日金曜日
リンゴ病、全国で増加 妊婦は特にご用心
両頬が赤くなるのが特徴で、「リンゴ病」と呼ばれる感染症「伝染性紅斑」の患者が全国で増え、1月からの累計は2000年以降では07年に次いで多いことが国立感染症研究所のまとめで4日、分かった。
4~6年周期で流行しており、専門家は「今年は流行する可能性がある」と指摘している。
せきやくしゃみのほか接触によって感染し、感染自体を防ぐことは難しい。患者は子どもが多いが、妊婦が感染すると、胎児の組織などに液体がたまる「胎児水腫」や流産の恐れもある。同研究所は「保育園や幼稚園、小学校で流行している場合は、妊婦は施設に立ち入らないようにするなど、注意が必要だ」と呼び掛けている。
最新となる2月14~20日の集計では、全国約3千の小児科から報告された患者は1596人で、1機関当たり0・51人。都道府県別では福岡の1.65人が最多で、宮崎1.56人、石川1.21人、宮城1.12人の順。31都府県で前週より増えた。
1月からの累計は、4~5歳が32.9%、6~7歳が25.9%、2~3歳が17.0%。
例年は夏ごろがピークで、多い年では1週間に1機関当たりの患者が1人を超えることもある。
2011年3月4日付(共同通信)
続きは・・・http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011030401000041.html
2011年3月3日木曜日
自殺者、13年連続3万人超える 就職失敗や家庭問題が増加
昨年1年間に自殺した人の原因・動機のうち「就職失敗」が424人と前年に比べ19・8%増え、「家族関係」や「子育ての悩み」など家庭問題も4497人と同9・2%増えたことが3日、警察庁の統計で分かった。自殺者数は3万1690人で、13年連続3万人を超えた。
同庁は背景に、継続する「就職氷河期」や絆の希薄化があると分析、警察の相談業務の強化など対策を進める。
総数は前年より1155人(3・5%)減ったが、毎日90人近くが自殺している計算で、深刻な状態が続いている。政府は3万人を割り込むことなどを目指し、来年6月をめどに2007年策定の自殺総合対策大綱を見直す方針。
遺書などで原因・動機が推定できた自殺者は2万3572人。判明分を1人につき3項目まで記録している。心や体の病など健康問題が1万5802人と最多だった。
家庭問題では「夫婦関係の不和」が1207人(前年比11%増)、「親子関係の不和」575人(14・3%増)、「子育ての悩み」157人(44%増)、「介護・看病疲れ」317人(11・2%増)など。
経済・生活問題は「就職失敗」が20代が153人、30~50代はいずれも70人台、60代は31人、70代も9人などとなったが、全体では7438人で11・2%減。
2011年3月3日付(47NEWS)
続きは・・・http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011030301000194.html
2011年3月1日火曜日
投稿者、ナゾ解けるか…単独犯か、複数関与か
京都大や早稲田大など4大学の入試問題が試験時間中に、「YAHOO!JAPAN(ヤフージャパン)」のインターネット掲示板「ヤフー知恵袋」に投稿された不正問題。
携帯電話から問題を送り正答を募る、という前代未聞の不正は単独で行われたのか、複数が関与したのか。ハンドルネーム「aicezuki」は誰なのか。
◇複数か単独か
「最悪の場合、組織的に行われた可能性がある」
2月28日に行われた早大の記者会見で、同大の島田陽一理事は深刻な表情で語った。理事が懸念したのは、不特定多数の閲覧が可能なサイト上に質問と回答が書き込まれていた点だ。「一人の仲介者により複数の受験生が利益を得ていた恐れがある」と話す。
書き込まれた質問の分量からみても、複数犯説が浮上する。「aicezuki」による投稿は試験時間中の短時間に繰り返されている。京大の数学では、複雑な数式や記号の交じる質問を7問も書き込んでいた。携帯電話の扱いにたけていても、監督官の目を盗んで、受験会場から単独で行うのは簡単ではない。
ただ、情報機器に詳しい大学関係者は、〈1〉服の内側にカメラ付き携帯や高機能携帯電話スマートフォンを忍ばせる〈2〉服に穴をあけ、カメラレンズの部分を出す〈3〉テレビ電話機能を使い、仲介者に問題用紙の映像を送る〈4〉仲介者が「知恵袋」に投稿――という手段を推測する。これなら受験会場ではあまり不審な動きを取らずに済む。
一方で単独説を唱える声も。「aicezuki」による投稿の中には、恋愛へのまじめな回答や、自殺をほのめかすような記述もあり、社会的に孤立した人物の印象もある。精神科医の和田秀樹さん(50)は、「まじめで思い詰めやすい性格の人物が単独で行動した可能性もある」という。
2011年3月1日付(読売新聞)
続きは・・・http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110301-OYT1T00664.htm?from=top
入試問題投稿、ヤフーに接続記録提出を要請
京都大や早稲田大など4大学の入試問題が試験時間中、「YAHOO!JAPAN(ヤフージャパン)」が運営するインターネット掲示板「ヤフー知恵袋」に投稿された問題で、警視庁と京都府警は1日、ヤフーに対し、掲示板への接続記録などの提出を求めた。
ヤフー側は捜査に協力する意向を示しており、警視庁などの捜査当局は入手した接続記録などをもとに、入試問題を投稿した人物の特定を進める。
問題の人物は「aicezuki」のハンドルネームで、昨年12月22日~今年2月26日、同志社大、立教大、早稲田大、京都大の試験問題など27件の質問を投稿。投稿には携帯電話が使われ、入試問題については試験時間中に送信が行われていた。
捜査関係者やヤフーによると、こうした投稿の際には、ヤフー側にアクセス履歴が残り、接続日時などのほか、接続した携帯電話のIPアドレス(ネット上の住所)や、一台一台に割り振られた識別番号などが記録される。