2010年1月19日火曜日

脊髄損傷の医療整備を 

 交通事故やスポーツでの事故、日常生活や労働の際の転落で脊髄を損傷した人を支援している特定非営利活動法人(NPO法人)「日本せきずい基金 」(東京都府中市)が、設立から10年を迎えた。再生医療の今後に期待を寄せる一方、脊髄損傷の医療体制整備を訴えている。 脊髄は、背骨に沿い脳から続いている中枢神経で、損傷すると手や足にまひが残り、感覚も無くなるなどして車いすが必要になることも多い。国内の損傷者は約10万人、新たな患者は毎年約5千人とのデータがある。 同基金は、ラグビーの試合で脊髄を傷めた現理事長、大浜真さんら数人の損傷者で準備を進め、1999年10月に正式に発足した。80年代、神経を再生する研究を促進しようと英国で患者らが創設した団体に触発されたのがきっかけだった。 設立目的について同基金は、医療や社会のケア体制の立ち遅れを挙げている。大半の損傷者は、社会から隔離された施設で寝たきりの生活を強いられ、在宅になっても両親や配偶者、子どもによる介護に依存せざるを得ず、介護者の就職や結婚が犠牲になることもある。 就職できても、雇用主が健康面への配慮を十分せず、車いすでの通勤環境も整っていないため、体調を崩す人が多いという。 設立以来、各地の損傷者の支援に力を入れ、ホームページでは損傷によりどんなまひが生じるのかや生活上のアドバイス、受傷後の心理変化や行政の関連施策など多様な情報を提供している。 会員へのニュース送付や各種マニュアルの作成、相談活動のほか、さまざまな組織に成長できる新型万能細胞(iPS細胞)を開発した山中伸弥京都大教授ら第一線の研究者を招いたシンポジウムも開いてきた。 会員は現在、損傷者や家族、医療関係者ら約1万4千人。運営資金は個人や、企業のラグビー部からの寄付で多くを賄っている。 大浜理事長は「労災病院の統廃合で、脊損患者を診療する病院が極めて少なくなった。リハビリをちゃんと受けられる施設も少ない。誰でも脊髄を損傷する可能性があるのに、医療の状況はここ十数年、むしろ悪くなっている」と話している。
2010年1月12日付(47NEWS)
続きは・・・http://www.47news.jp/feature/medical/2010/01/post-238.html

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

脊髄損傷の再生医療は関西医科大で数例有ります中には既に歩行再建できて自立した患者が出ています。週間医学界新聞10年1月4日付け送信で「再生医療実現のためのTR(トランスレーショナルリサーチ)との記事に脊髄損傷の再生医療は…関西医科大の中谷寿男教授が、世界初の自己脊髄由来の間葉系幹細胞を使い、既に五例に辞しています。内二例は自立歩行しています。などの記事が有りました。関西医科大は京阪電車の滝井大学付属病院本部と枚方駅前病院が有ります。