2010年4月11日日曜日

救急搬送中にチューブ誤挿入、病院で女性死亡

 秋田県の大館市消防本部は10日、市消防署北分署の男性消防士長(38)が、救急車で搬送中の女性(78)に対し、気道確保のための気管チューブを誤って挿入する事故があったと発表した。
 女性は搬送先の病院で死亡した。気管チューブの誤挿入は県内初の事例といい、市は今後、再発防止策を徹底するとともに消防士長らの懲戒処分を検討する。
 同消防本部によると、9日午後6時45分頃、女性の親族から「風呂で倒れた」と119番があり、消防士長ら3人が女性宅へ駆け付けた。
 女性の心肺停止を確認した消防士長らは救急車での搬送を決定。午後7時5分頃、受け入れ先の市立扇田病院の医師から携帯電話で指示を受け、ビニール製のチューブ(直径7・5ミリ、長さ21センチ)を女性の口内へ挿入した。
 しかし、誤って気管ではなく食道へ挿入したため、肺へ送られるはずの空気は、同7時20分頃に病院に到着するまで胃の中へ送り続けられた。到着後、医師の診察で誤挿入が発覚し、同8時30分頃、女性は死亡が確認された。死因は水死だった。
 2度の挿入確認も消防士長1人で行っており、同本部は事故の原因を「チューブが正しく挿入されているかどうか、複数の救急救命士で確認しなかったため」としている。
 記者会見した石井直文消防長(58)は「市民の信頼を裏切り深くおわび申し上げたい」と謝罪。「適切な処置をしていれば、亡くならずに済んだ可能性があったかも知れない」と述べ、今後、県の医療協議会で誤挿入と死亡との因果関係などを検証するとした。
 気道にチューブを入れる応急処置は2004年7月から、医師のほか、資格を得た救急救命士も行えるようになった。消防士長は08年12月に資格を取得しており、挿管は今回が4回目だったという。
 小畑元・大館市長は「誠に遺憾。大切な任務を担うほど正確な処置が必要で、再発防止を徹底したい」とコメントした。
2010年4月11日付(読売新聞)
続きは・・・http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100411-OYT1T00050.htm

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