2010年4月11日日曜日

脳脊髄液減少症 保険適用を

交通事故の後遺症で、脳脊髄(せきずい)液が漏れる難病「脳脊髄液減少症」を発症した大西架奈子さん(38)(彦根市新海町)が、同じ病気に苦しむ人たちの相談を受けるなどの活動を続けている。「病気の知名度が低く、病気自体に気付かない人も多い」と大西さん。病気の実態を多くの人に知ってもらおうと、病身をおして力を尽くしている。
 同症は、スポーツや事故などで首などに受けた衝撃が原因で、脳脊髄液が漏れる病気。頭痛や耳鳴り、歩行困難、視覚障害、体のしびれなどの症状を引き起こす。
 治療法には、脳脊髄液が漏れ出す部分を血液でふさぐ「ブラッドパッチ」があるが、保険適用がないうえ、費用は30万~50万円と高額。むち打ちや慢性頭痛、うつ病などと診断されて患者が気付かないケースも多く、潜在的な患者数は全国で20万~30万人とされる。
 大西さんは2007年7月、車を運転中に追突された。首と腰に衝撃を受け、体が動かなくなり、救急車で病院に運ばれたが、「外傷がない」と退院させられ、寝たきりとなった。
 病院を転々とし、耳鼻科、リハビリ科、精神科まで受診したが、原因は不明のまま。同年秋、精神科の看護師から同症の可能性を指摘され、改めて整形外科を受診した。しかし、その時は、医師に「(知名度の低い)病気には興味がない」と突き放された。
 5か月後、同症を治療している名古屋市内の病院を探し当て、昨年1月、ようやく車いすなどを使って歩けるようになった。しかし、今でも2~3時間もすると気分が悪くなり、頭痛や耳鳴りもひどくなるため、横にならざるを得なくなるという。
 同じように苦しむ人たちの力になりたいと09年末、NPO法人「脳脊髄液減少症患者・家族支援協会」の県内初の会員になった。今は県代表を務めながら、治療の保険適用の実現を訴える署名活動を行っている。
 これまでに、交通事故の被害者らでつくる「交通事故サポートプログラム滋賀」が草津、守山両市の大型商業施設で開いた無料相談会に出席。昨年7月には嘉田知事に面会し、支援を求めた。このほか、政党の勉強会で病気の実情を訴えるなど精力的に活動している。17日に長浜市内で開かれる相談会にも出席する予定。
 大西さんは「病気のことや、交通事故の後遺症で苦しむ人たちの現状を知ってもらえれば」と力を込める。
 相談などは、同協会和歌山事務所(073・461・0317)や、交通事故サポートプログラム滋賀(080・3862・5010)。
2010年4月11日付(読売新聞)
続きは・・・http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20100410-OYT8T00889.htm

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