2010年2月25日木曜日

(1)女性に多い骨粗しょう症

 高齢になって骨折すると、寝たきりになる恐れが高まる。若い頃から骨の大切さを知り、骨を強くしておきたい。
 成長期を過ぎると、骨は変化しないように思えるが、実は皮膚や血液と同様に、新陳代謝をしている。古くなった骨は壊され、骨中のカルシウムが血液中に放出され、新たに血液中からカルシウムを取り込んで骨が再生される。
 この代謝のバランスが崩れると、骨が粗くなって多くの穴が開いた状態になり、強度が落ちる。骨量がピーク時の70%未満になると、骨粗しょう症と見なされる。
 東京女子医大主任教授の太田博明さんは「女性は更年期を迎える前後から骨量が減る傾向にあります」と話す。50歳以上の全体で見ると、女性はおよそ4人に1人が骨粗しょう症と推定されており、男性よりも圧倒的に多いという。
 大きな要因となっているのが、エストロゲンという女性ホルモンの分泌量の減少だ。元々、骨が過度に壊されるのを防ぐ働きがあるが、閉経の5年くらい前から分泌が減り始め、代謝のバランスが崩れるのだ。
 太田さんは数多くの女性の骨量を調べた経験から、エストロゲンの分泌が減るのに伴って、閉経までの間に骨量は5%ほど減り、閉経後の10年間でさらに15~20%ほど減少すると指摘する。その後も徐々に減っていくという。
 骨粗しょう症になると、背骨がつぶれる圧迫骨折が起きたり、倒れて尻餅をついたり手をついたりしただけで、太ももの付け根や手首、二の腕の骨を折ることが多くなる。寝たきりになる恐れも高まる。
 ただ、自覚症状がない人も多い。特に、背骨の圧迫骨折は痛みを伴わないことが多く、気付きにくい。骨粗しょう症の人で実際に受診しているのは、2割程度と見られている。
 太田さんは「腰や背中が重いといった違和感があったり、身長が2センチ以上低くなったりした場合は疑った方がいい。病院で骨密度を測定してもらいましょう」と助言する。
2010年2月23日付 (読売新聞)
続きは・・・http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=21138

0 件のコメント: