2009年12月15日火曜日

夜間の高齢者事故多発 身体能力衰えの自覚を

 歩行中の高齢者が夕暮れ時や夜、自宅近くで車にはねられる死亡事故が多発している。無謀な飛び出しではなく、道路を渡りきる直前に事故に遭うケースが目立つ。過信や油断から来る高齢社会ならではの事故とも言え、県警はお年寄りに対し、身体能力の衰えを自覚し、安全確認を怠らないことを強く呼び掛けている。
 津市一志町の県道で11月21日午後5時ごろ、女性(94)が道路を渡り終わる寸前、左側から来た乗用車にはねられて亡くなった。現場は女性の自宅から300メートルで、田んぼを見に行こうと日が暮れてから自宅を出て事故に遭った。道路は片側一車線のほぼ直線で見通しは良かったが、乗用車の運転手は直前まで女性に気が付かなかったという。
 交通量の多い津市大門の県道でも10月5日午後7時50分ごろ、近所の女性(78)が横断を終える直前、トラックにはねられ、亡くなった。道路は片側2車線で幅が広いが、横断歩道までの距離は100メートル近く。女性は家を出て、目の前の道路を渡ろうとしてはねられたらしい。
 県警によると、ことし1~11月末の県内の高齢者の事故死者は54人で、昨年同時期より7人も多い。そのうち半数近くの26人は歩行中の事故。左右の安全確認を怠る飛び出しではなく、「車が来る前に渡れる」との“判断ミス”が原因とみられる。自宅近くが事故現場なのも特徴で、「普段から渡っているから大丈夫だろう」という油断もあるようだ。
 県警交通安全企画課は「高齢になると、判断能力や身体機能が落ちると自覚してもらうことが大切」と指摘する。高齢者は歩く速度が遅い上、右側の車ばかりに気を取られて、左側から来る車に気が回らないことも多い。そこで同課は高齢者の交通安全教室で、実際に道路を横断するのにかかる時間を計測したり、直線で渡るのと斜めに渡るのでは、横断にかかる時間が違うことを実感してもらったりしている。
 さらに、年末年始に向け、各地の街頭啓発で日没後に外出する際は反射材を身につけ、目立つ色の服装を心掛けるよう求めている。「コンビニでの買い物や犬の散歩など、ちょっとそこまでという時でも反射材を」と注意を促す。運転者に対しても早めのライト点灯や、見通しの良い道路でも安全確認を怠らないよう呼び掛けている。
2009年12月15日付(中日新聞)
続きは・・・http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20091215/CK2009121502000011.html

0 件のコメント: