2010年10月19日火曜日

ALS 24時間ケア 大津、待望の介護事業所

 筋肉が徐々に動かなくなる難病の筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)の患者や家族らでつくる「日本ALS協会滋賀県支部」が中心となってつくった24時間対応の訪問介護事業所「もも」が10月から大津市で営業を開始した。夜間もケアが必要な患者に対応するのが目的で、滋賀県によると、患者団体が中心となって訪問介護所を設立するケースは県内では珍しいという。同事業所は「患者や家族が少しでも楽になればうれしい」としている。
 同支部や看護師などが事業所を運営するNPO法人「ALSしがネット」を設立し、8月にNPO認証を受けた。同ネットによると、夜間介護へのALS患者のニーズは高い一方、県内には24時間対応できる事業所が少ないという。
 ももでは、看護師やヘルパーなどの資格を持つ10人が登録制で大津市を中心に訪問介護にあたっている。利用者は大津市などに住むALS患者3人で、職員は体の位置をずらしたり、ほぐしたり、たんを吸引するなどしている。患者の一部は、文字盤を目で追い、意思を伝えるため、職員は慣れないコミュニケーションに戸惑いながらも懸命に仕事をこなしている。
 大津市石場の自宅の倉庫を、ももの事業所に提供したALS患者の吉田幸男さん(79)の妻の道子さん(74)は「自宅療養は呼吸器などを絶えず気にしていなければならず、時間のゆとりがない。私自身も高齢なので今後のことを考えれば事業所があると安心」と話す。
 同ネットの葛城貞三理事長(71)は「家族だけで介護するのは大変で、訪問介護所の設立は私たちの念願だった。今後はALS患者はもとより、必要とされている方にサービスを提供したい。充実に向けてヘルパーも増やしたい」と意気込む。問い合わせはももTEL077(535)0055。
2010年10月19日付(京都新聞)
続きは・・・http://www.kyoto-np.co.jp/shigatop/article/20101019000031

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