史上最多4835組の頂点に立った瞬間、西田と哲夫は何度もガッツポーズ。西田は「やっとやあ!」と雄叫びを上げ、必死で涙をこらえた。
大会後の会見では、「M―1があったんで漫才を一生懸命やってこられた。最後に優勝できてうれしい」と西田。優勝賞金は「9年間、優勝したらおごるとあちこちで約束してきた。計算したら赤字になるけど、大祝勝会で返そうと思う」と宣言した。また、哲夫は大会終了を惜しみ、来年は笑いの殿堂「なんばグランド花月」(大阪市中央区)でM―1と同形式の大会を笑い飯主催で開催する構想を披露。「ゆくゆくはテレビ中継してもらって、M―1復活となれば」と思い入れの強さをのぞかせた。
終わってみれば、M―1は「笑い飯のための大会」。2人が交互にボケる「Wボケ」のスタイルにこだわってつかんだ勝利だった。M―1の決勝で披露したネタはトータルで14本。毎年、前年を超えるネタを求められる厳しい条件下でも結果を出してきた。
この日、1本目のネタは島田紳助(54)が昨年、100点をつけた「鳥人」をほうふつさせる、上半身がサンタで下半身が馬の「サンタウルス」で爆笑を誘い、前回王者で今年は敗者復活から勝ち上がった「パンクブーブー」に次ぐ2位で最終決戦へ。2本目は小銭が足りない人を救う「小銭の神様」のネタで勝負。審査員7人中4人が笑い飯、3人が独特の空気感で強烈なインパクトを残した1本目3位の新鋭「スリムクラブ」を支持。ダークホースを小差でかわした。
審査員の松本人志(47)も笑い飯の優勝に、感極まった表情。大会最後を飾るにふさわしい“M―1の申し子”の有終の美だった。
2010年12月27日付(スポニチ)
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