分裂心配の声も
1日に告示された民主党代表選は、首相の菅直人氏と前幹事長の小沢一郎氏の一騎打ちとなった。選挙戦では、政策論争が期待されるが、府内の党員やサポーターからは党の分裂や党内運営の先行きを懸念する声も上がった。新代表は14日に決まる。
民主党府連の山本正幹事長は、代表選について「緊急に取り組まなければならない政策を十分論じ合い、開かれた選挙になるよう期待したい」と話す。政治とカネの問題を抱える小沢氏については「国民が疑問に思う限り、説明を尽くすべきだ。政策や考え方はベールに隠れてわかりにくい部分があり、この機会に明らかにして判断を仰げばいい」と語った。
地方議員の意見は様々だ。
民主党員の田中輝昭・舞鶴市議(80)は「せっかく政権政党になったのに、内部抗争をしている場合ではない」と代表選に至る経緯を批判する。舞鶴港へのアクセス道路の整備の遅れや、京都縦貫道の開通など地元の課題を挙げ、その解決に向けて菅氏を応援するという。「党分裂を懸念する声もあるが、党員の審判を受けた方がむしろ双方にしこりを残さないと思う」
宇治市の西川博司市議(62)は「2人の政策は違うので、選挙で堂々と戦った方がいい。これまで何度も代表選はあったが、党は分裂していない。決まれば団結する」とみる。自身は「市民感覚がある」という菅氏を支持。「違法かどうかは別にして、政治とカネの問題を抱える小沢氏は違和感がある」と話す。
党員やサポーターは代表選に賛同する一方、今後の党内運営への懸念の声が目立つ。
団体職員の男性党員(53)=南区=は「代表選後も党内の混迷は続くのではないか。分裂を一番恐れる」と先行きへの不安を隠せない。菅内閣では、府内選出の国会議員が重要なポストを占めた。「いまの体制を維持してもらいたいが、代表選後の内閣人事もどうなるかわからなくなった」。菅氏については「ねじれ国会を生んだ引き金は、参院選直前の『消費税増税』発言にある」と批判。「政治家としての実行力」に期待し、小沢氏を支持するという。
一方、会社経営の男性党員(76)=左京区=は「短期間で首相が代わってしまっては民主党の信頼が失われる。菅氏が望ましい」と話す。党分裂を心配しつつ、「代表選後は落ち着くのではないか。多くの国会議員も分裂は損と見ているだろう」とみる。
サポーターの写真家岡部達平さん(30)=左京区=は「国会議員だけでなく、市民も投票できることはとても魅力的。国民がトップを選べる仕組みの第一歩になってほしい」と期待する。党二分への懸念については「もし分裂したら、政権を託した国民の思いやマニフェストを実現できるかが心配だ」と語った。
代表選告示を受け、山田啓二知事は「円高、株安が進み、厳しい雇用情勢が続くなど、わが国の状況は深刻で迅速な対応が求められている。代表選やその後しこりが残ることで、政策の実施が遅れることを懸念する。代表選後、与野党が十分協議を行い、適切な対応を速やかに実施することを何よりも望む」との談話を出した。
京都市の門川大作市長も「厳しい社会状況の下で地域社会に活力を与え、国民が夢を持って元気になれるよう政策論争をしていただき、早期に安定した将来展望が開ける政権を確立していただきたい」とコメントした。
■民主党代表選■
代表選は、党員・サポーターや地方議員票の郵便投票と、14日に東京である臨時党大会で直接投票する国会議員票の総計で当選者が決まる。
党員・サポーター票は300ある衆院小選挙区ごとに集計され、その選挙区ごとに得票数が多かった候補者が1ポイントを獲得する。これとは別に、地方議員の投票は全国統一で集計し、得票数に基づいて100ポイントを配分する。国会議員の票は1人2ポイントに換算される。党所属の国会議員全員を合わせると824ポイント。総計1224ポイントの過半数を獲得した候補者が、次の党代表に決まる。
続きは・・・http://mytown.asahi.com/kyoto/news.php?k_id=27000001009020001
2010年9月2日付(朝日新聞)
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