2009年7月12日日曜日

解散か退陣か首相剣が峰=カギ握る都議選、政局流動化も

 麻生太郎首相の命運が懸かる12日投開票の東京都議選。首相は直後の衆院解散、8月上旬選挙をなお模索しているが、都議選では与党の苦戦が伝えられ、自民党内の「麻生降ろし」が本格化するのは必至だ。野党による内閣不信任決議案提出の動きも加わり、政局が一気に流動化する可能性もある。 首相は11日夜、主要国首脳会議(サミット)が開かれたイタリア・ラクイラから帰国。早速、河村建夫官房長官や麻生派の中馬弘毅元行政改革担当相、山崎派の武田良太衆院議員らと相次いで会い、党内情勢を聴取した。 首相は、現地での内外記者会見では、衆院解散・総選挙の時期について「近々判断したい」と表明。都議選に敗北しても引き続き政権を維持する考えを強調した。武田氏らに対しても、こうした方針を伝えたとみられる。 都議選で与党が過半数を維持すれば、首相は自らの解散判断にお墨付きを得る。逆に静岡県知事選に続く敗北となれば退陣論が強まるのは避けられない。首相が都議選直後の解散を狙うのは、こうした麻生降ろしを阻止する狙いもある。 野党は早期解散を促すため、週明けにも内閣不信任案を出す構えだが、首相がこれを利用する形で解散に打って出ることも想定される。 早期解散の場合、衆院選での与党の勝算は期待しにくく、実態としては「破れかぶれ解散」に近い。また、臓器移植法改正案や貨物検査特別措置法案も廃案になりかねない。反麻生勢力ばかりか首相を支えてきた派閥幹部からも解散先送りを求める声が上がるのは、こうした事情からだ。 党内の先送り論に押されて、首相が会期末の28日ぎりぎりまで解散を見合わせれば、衆院選は8月30日か9月6日となる公算が大きい。 一方、都議選を受け、一部の中堅・若手は15日の両院議員総会開催を求め、首相に辞任を迫る考えだ。仮に首相が受け入れれば、9月の総裁選が前倒して行われる。 ただ、「ポスト麻生」は混とんとしている。舛添要一厚生労働相や与謝野馨財務・金融相、石原伸晃幹事長代理、小池百合子元防衛相らの名が上がるが、いずれも決め手を欠く。首相が政権運営に強気な姿勢を崩さないのは、党内の「人材不足」が背景にあるとの指摘もある。
2009年7月12日付(時事ドットコム)
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