2009年7月16日木曜日

脳死は「人の死」=改正臓器移植法が成立-15歳未満の提供可能に

脳死を一般に「人の死」と位置付け、臓器提供の年齢制限を撤廃する改正臓器移植法(A案)は13日午後の参院本会議で、賛成多数で可決され、成立した。1997年に施行された同法の改正は初めて。これまで禁じられていた15歳未満の子どもからの臓器提供が可能となることで、国内での臓器移植は拡大するとみられる。 改正臓器移植法は「脳死は人の死」を前提に、15歳以上となっていた脳死後の臓器提供の年齢制限を撤廃することが柱。現行法が、臓器移植する場合に限って脳死を「人の死」と認めるのに対し、改正法では条文の該当部分を削除した。 本人が生前に拒否していなければ、家族の同意で臓器提供が可能になる。親族への優先提供も認めた。自民党の中山太郎、公明党の福島豊両衆院議員らが2006年に国会提出していた。 国会審議では、脳死を原則「人の死」と認めるかどうかが最大の焦点だった。改正法は、脳死を死とすることへの慎重論がなお根強いことを考慮。本人や家族が脳死判定を断ることもできるとしており、提出者は「脳死を一律に人の死とするものではない」と説明する。 採決は押しボタン方式で行われ、共産党を除く各党は「議員個人の死生観にかかわる問題」として、党議拘束を外して採決に臨んだ。 一方、自民、民主、公明各党の有志が提出した修正A案は反対多数で否決された。同案は、年齢制限撤廃など改正法の骨格は踏襲しつつ、脳死を「人の死」と認めるのは、現行法と同様に臓器移植する場合に限るとした内容。また、子どもからの臓器摘出に慎重な野党議員が対案として提出した「子ども脳死臨調設置法案」は、A案が先に可決されたため、採決されなかった。共産党は対案に賛成する方針だった。 現行法は年齢制限が設けられていることから、心臓移植などが必要な乳幼児は海外に渡航せざるを得ず、患者団体などが法改正を求めていた。A案は先月18日の衆院本会議で採決され、賛成263票、反対167票で可決、参院に送られた。(了)
2009年7月13日付(時事通信)
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