2009年7月18日土曜日

「ツリーマン(樹木男)」と呼ばれた男性の奇病

 「ツリーマン(樹木男)」と呼ばれる男性は、インドネシアの首都ジャカルタの南150キロの村に住むデデさん。10代の時にひざに切り傷を負って以降、体にこぶができ始めたという。両手が使えないため仕事ができず、妻にも見放されたデデさんは、10代の娘2人とともに貧しい生活を送っている。こぶに覆われた両手足はとても重く、扱いにくいので外出もしないという。1993年に地元の病院に入院したが、医師らはデデさんの症状に対する治療法を見つけることができなかった。しかしメディアの報道によると、米メリーランド大のアンソニー・ガスパリ医師がこのたび、デデさんに対してある治療法を提案。同医師はデデさんの血液検査を行った結果、デデさんの症状は、小さなこぶを形成する感染症「ヒト乳頭腫ウィルス(HPV)」によるものだと判断したという。ガスパリ医師は、別のHPVの重症例でこぶの増殖を防ぐ効果が確認された合成型のビタミンAを毎日投与することで、デデさんの症状を完治できるとの見方を示している。彼の親族の誰にも発生していない、奇病と言わざるを得ないこの症状についてガスパリ医師は、皮膚が樹木のような状態になっているのは、いぼを発生させる乳頭腫ウイルスと遺伝性疾患によるもので、免疫力が弱いためウイルスに対抗できないのが原因だという。彼の遺伝子には非常にまれな欠陥が認められ、それが自己免疫システムを狂わせ、皮膚細胞に侵入したウィルスに対し、その奇妙な物質を細胞内に作り上げろといった誤った指令を出していると考えられるとのことで、命に別状はないものの、何回でも発生する可能性もあるとのことだ。イボ発生と手術との繰り返しとなるのであろうが、今後の彼の健康を祈り、治療が進みいつかすっかりきれいになった手指をまた披露して頂きたいと思う。
タグ:奇病 ツリーマン インドネシア ジャカルタ ウィルス
2009年7月4日付(ネットニュース)
参考資料・・・http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2317741/2400194

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