2008年10月17日金曜日

学生無年金訴訟、元学生の敗訴確定…最高裁判決

 学生時代に統合失調症と診断された元大学生の男性2人が、20歳になる前に診察を受けなかったことを理由に障害基礎年金を受け取れないのは違法だとして、社会保険庁長官に年金の不支給処分の取り消しを求めた2件の訴訟の上告審判決が10日、最高裁第2小法廷であった。
 古田佑紀裁判長は「支給の要件を満たしていない」として、原告の請求をいずれも棄却。元学生の敗訴が確定した。
 原告は、東京都青梅市の男性(48)と板橋区の男性(40)。
 国民年金法は、初診日が20歳未満の時点ならば、国民年金に未加入でも障害基礎年金を受け取れると規定している。2人は21~20歳だった大学生時代に精神科を初めて受診し、統合失調症と診断されたが、受給できなかった。このため、「実際には20歳前に発病しており、初診日で画一的に受給資格を判断するのは不合理」と訴えていた。
 この日の判決は、「国民年金法が初診日を基準としたのは、支給するかどうかの認定の客観性を確保し、判断を公平にするためで、原告の解釈は採用できない」と述べた。
 裁判官3人の多数意見。今井功裁判官は「国民年金法の支給要件を拡張解釈し、支給するかどうかは発病時を基準にすべきだ」とする反対意見を述べた。

 2件の訴訟は1、2審では別々に審理され、1審・東京地裁はいずれも請求を認めて不支給処分を取り消したが、2審・東京高裁では原告勝訴と敗訴に分かれていた。
 「学生無年金訴訟」は2001年7月、身体・精神障害者計30人が9地裁に提訴。障害基礎年金の違憲性が争われた訴訟で最高裁が昨年9月、合憲判断を示し、既に元学生計10人の敗訴が確定している。
 厚生労働省によると、障害基礎年金(月額約8万2000円~約6万6000円)を受給できない元学生には05年以降、特別障害給付金(月額5万~4万円)が支給されている。
続きは・・・http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081010-OYT1T00476.htm
2008年10月11日付(読売新聞)

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