2011年1月25日火曜日

タイガーマスク ぼくらも

◆天理の施設内 玄関前に お菓子・絵本。文具

 奈良県天理市の児童養護施設で、幼い子どもたちが暮らす棟の前に菓子や文房具が置かれているのが見つかった。漫画「タイガーマスク」の主人公「伊達直人」などと署名が入った手紙も添えられていた。菓子は施設内で以前に配られたもので、文房具に書かれた元の持ち主の名前も丸見え。施設内の子どもたちが下級生たちを思ってのささやかな贈り物とわかった。

 この施設は天理養徳院(中島道治院長)。親に虐待を受けるなどした2~18歳の子どもたち71人が暮らす。

 2~6歳の16人が暮らす「梅・桜棟」の玄関前で贈り物が見つかったのは20日朝。菓子や絵本、定規や三角定規などの文房具が置かれ、添えられた手紙にこう書かれていた。「天理養徳院(梅・桜様) 私は、この部屋にたくさんの小さい子どもたちがいると聞いてやってまいりました。テレビや新聞などで私もやってみたい、役に立ちたいと思って、持ってきました。これからもおガンバリを 伊達直人(タイガーマスク)4人、伊達直子1人 中1 2人、小6 2人、小5 1人」

 「梅・桜棟」の名は施設内の子しか知らない。手紙の文字は幼さの残る小学校高学年か中1くらいの文字。菓子は少し前に施設内で配ったもの。修正液が塗られた定規を裏返すと、施設で暮らす年上の子の名が透けて見えた。

 4日前の16日、同院には別の「タイガーマスク」が現れていた。中学2年生の女子生徒が母親と施設を訪れ「自分も施設へ寄付したい」と、名乗らないままポチ袋に入ったお年玉4千円や文房具、菓子を置いていった。

 中島院長は「同じ年ごろの中学生の行動に触発されたのでしょう。他人の分を奪ってでもたくさん食べたい年ごろの子たちが菓子を食べずに取っておき、小さな子にあげる優しい気持ちを育んだことがうれしい」と話している。

 この話は、茨城県で開かれている日本教職員組合の教育研究全国集会の分科会で披露された。(増谷文生)

2011年1月25日付(朝日新聞)

続きは・・・http://mytown.asahi.com/nara/news.php?k_id=30000001101250001

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