2009年4月2日木曜日

高齢者医療の補正計上へ


低所得者上限の4000円、保険料軽減を継続

 政府・与党が2009年度補正予算案に盛り込む医療制度に関する改革案が明らかになった。70歳以上の患者の高額療養費の負担上限を一部軽減するなど、高齢者医療に関する見直しが中心だ。
 次期衆院選に向けて、高齢者の不安解消をアピールする狙いがある。
 高額療養費は、1か月の医療費が上限額を超えた場合、超過分が払い戻される制度。70歳以上の外来の上限額は所得に応じて、「現役並み」「一般」「低所得者」の3区分となっていて、それぞれ4万4400円、1万2000円、8000円。このうち、住民税非課税世帯などの低所得者の上限額を外来に限り、8000円から4000円に下げる。入院の上限額は据え置く方向だ。
 75歳以上の後期高齢者医療制度(長寿医療制度)では、08年度に暫定的に保険料が8割5分軽減され、今月から本来の7割軽減に戻る予定だった、年金収入が年80万円超~168万円以下の約200万人の軽減措置を継続する。費用は約130億円を見込んでいる。
 また、財政状況が厳しい健康保険組合への数百億円規模の財政支援を行う。08年4月に65~74歳の前期高齢者医療制度が導入され、高齢者の医療費の財政支援の仕組みが変わり、08年度は西濃運輸など14組合が解散、4月1日にも8組合が解散するなど、健保財政に大きな負担となっていることを勘案したものだ。
 高齢者対策以外では、失業者の保険料軽減策も講じる。失業者が健保組合などから国民健康保険(国保)に移行すると、国保の保険料が前年度の所得を基準に算定されるため、保険料が急激に上がる場合がある。自治体には保険料の支払いが困難な人向けの減免制度があるが、財政負担への影響から適用に慎重であるため、国が自治体に財政支援し、減免制度の活用を促す。

2009年4月2日付(読売新聞)

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