2008年8月13日水曜日

堂々とまちへ 娘の生きる力

 夏休みになり、外出が大好きな娘(14)は、毎日のように電動車いすに乗って、電車やバスで出かけています。娘には四肢障害があります。小さな子どもに指さされ、一緒にいるお母さんが慌てて止めることもあります。でも、「見ちゃダメ」とは言わないで。子どもはきっと「違う」ことが不思議なだけなのです。社会にはいろんな人がいることを教えてほしいと思います。
 小さなころからた くさんの人の中で育てば、自分の身体を障害とは感じないで、それが自分だと受けとめることができるのでは、と思い、地元の保育所や学校を選び、地域に出てきました。言葉が通じなくても「そのままのあなたはステキだ」と伝えてきました。
 地下鉄の中で、下校途中の小学生に取り囲まれることもしばしば。娘はそっぽを向いたり、見返したりしています。好奇な視線を浴びることは、重度の知的障害があっても十分に感じとっています。それでも娘はまちへと出て行きます。じろじろと見られても堂々としている娘の姿は、誇らしいとさえ感じます。
 近所では、いろんな人に声をかけられます。私より顔が広いようです。もうすぐ盆踊りの季節です。お祭り大好きな娘は、今年も近くの公園の盆踊りの輪の中に入っていくことでしょう。そして、地域の方々は当たり前に、その輪に娘を招き入れてくれることでしょう。
 自分自身を受け入れ、人との関係を作っていく、その力こそが、娘の「生きる力」なのだと感じています。
続きは・・・http://osaka.yomiuri.co.jp/mama/tokusyu/sasaeru/mc20080812kk02.htm
2008年8月12日付(読売新聞)

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