2010年7月20日火曜日

水俣病:認定請求訴訟で原告勝訴 国と熊本県が控訴方針

 水俣病の認定申請を棄却された熊本県水俣市出身の女性(84)=大阪府豊中市=を、水俣病患者として認定するよう命じた16日の大阪地裁の判決について、国と熊本県は20日、大阪高裁に控訴する方針を明らかにした。水俣病問題を担当する環境省は「過去の最高裁判決などと判例が異なり、上級審の判断を仰ぐ必要がある」と控訴理由を説明した。
 国の公害健康被害補償法に基づく水俣病認定基準は77年に厳格化。手足の感覚障害に加え、運動失調や視野狭さくなど複数の症状が認められた場合のみ認定するとした。
 しかし16日の判決は「国の認定基準でしか患者と認めないのは医学的根拠がない」として国の現行基準を明確に否定。その上で、複数の症状がなくても「(原因物質の)メチル水銀の暴露状況などを総合的に考慮することで、患者と認める余地がある」と、生活歴なども含めて患者認定すべきだとした。
 20日、会見した環境省の南川秀樹官房長は「現在の認定基準は、長年の研究成果や中央公害対策審議会の答申などを経ており、医学的に正当だ」と強調。16日の判決から短期間で控訴の判断をしたことについて「いろんなケースを考えて準備をしていた。現在、水俣病被害者の救済策の対応を進めており、地元に動揺を引き起こしてはいけないという観点から検討を急いだ。今回の控訴にかかわりなく、救済措置は着実に進める」と述べた。【江口一】
2010年7月20日付(毎日新聞)
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