2010年7月20日火曜日

金賢姫元死刑囚:初来日 拉致被害者家族と面会へ

 北朝鮮の元工作員で、大韓航空機爆破事件(87年)の実行犯、金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚(48)が20日未明、日本政府のチャーター機で韓国から来日した。事件以降、金元死刑囚が韓国から出国するのは初めて。23日まで滞在し、77年に新潟市内で拉致された横田めぐみさん(行方不明時13歳)の両親ら拉致被害者家族と面会する。金元死刑囚は昨年になって初めて「めぐみさんと会ったことがある」と証言しており、めぐみさんの消息についてどのような証言がもたらされるかが注目される。
 金元死刑囚の乗ったチャーター機は20日午前4時前に羽田空港に到着。政府が用意した車で、10台近くの警備車両に挟まれ、午前7時20分ごろ、長野県軽井沢町の鳩山由紀夫前首相の別荘に到着した。金元死刑囚の来日は初めてで、滞在中に東京都内も訪れる予定。警備上の理由から、日本滞在中の日程は非公表となっている。
 出入国管理法では1年以上の懲役や禁固の刑が確定した外国人は入国できない。だが今回は「拉致問題解決のため」(政府関係者)特別に許可された。
 関係者によると、金元死刑囚が工作員としての訓練中に日本語を教わっていた拉致被害者の田口八重子さん(行方不明時22歳)の長男、飯塚耕一郎さん(33)、田口さんの兄で拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さん(72)と、20日にも別荘で面会する。昨年3月の韓国・釜山市での面会以来の再会となる。
 21日には、横田めぐみさんの父滋さん(77)、母早紀江さん(74)と面会する予定。金元死刑囚の証言によると、めぐみさんは80年代前半、「金淑姫(キム・スクヒ)」と呼ばれる同僚工作員に日本語を教えていたという。金元死刑囚がめぐみさんと会ったのは、この時期の可能性があり、新たな証言が期待される。訪日中、中井洽・拉致問題担当相とも面会する見通し。
 家族会の増元照明事務局長(54)は「来日は家族会として昨年来望んできたことで、実現できて何よりだ。金さんには確かめたいことがたくさんある。ぜひ拉致に関する新たな情報やこれまでの北朝鮮の説明を覆すような情報を期待したい」と歓迎している。【合田月美】
2010年7月20日付(毎日新聞)
続きは・・・http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100720k0000e040005000c.html

ところで金元死刑囚の事件とは、大韓航空機爆破事件のことです。
大韓航空機爆破事件とは・・・87年11月29日、バクダッド発ソウル行きのKAL858便が爆破され、乗員・乗客115人全員が死亡した。バーレーンで不審な男女が取り押さえられ、男はその場で服毒自殺。女は金賢姫元死刑囚で、身柄を韓国に移され、「私は北朝鮮の工作員。上からの指示で大韓航空機に爆弾を仕掛けた」と供述。ソウル五輪妨害を狙った北朝鮮によるテロと判明した。金元死刑囚は90年に韓国の大法院(最高裁)で死刑が確定したが、特別赦免された。

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