2009年3月4日水曜日

障害者に 専門学校 卒業資格

 学校法人・関西福祉学園(伏見区)が4月、全国の学校法人で初めて障害者が専門学校の卒業資格を得られる職業教育訓練施設を下京区と大津市に開設する。同学園の辻勝司理事長は「障害者が自信をもって働き、社会的地位の向上にもつながる施設にしたい」と話している。
 同学園は、社会福祉士、ヘルパーなどの資格取得を目指す京都医療福祉専門学校(同区)や知的障害者入所更生施設「こいしろの里」(三重県松阪市)などを運営。教育と障害者福祉の両分野に通じた多数のスタッフを抱えており、新しい障害者教育のあり方を模索。
 2006年に完全施行した障害者自立支援法で、学校法人も障害者の就労支援施設の運営を担うことが可能になったため、07年夏に大津市に「働き教育センター」を開設した。
 4月からは同施設の履修生(定員約50人)に対し、専門学校の卒業資格がとれるカリキュラムを導入し、下京区にも同様の「働き教育センター京都」(定員約30人)を開校する。両施設とも特別支援学校高等部を卒業するなどした軽度の知的、精神、身体障害者の受け入れを想定する。
 働き教育センター京都では、ビル2階にヘルパーなどの介護訓練室、3階はパソコン操作などを学ぶコンピューター実習室を備える。1階の喫茶店や化粧品販売店では、接客や、エステ、美容にかかわる仕事を実習で学ぶこともできる。
 大津市の働き教育センターでも、一般開放されているレストランでの実習や農園での園芸、エステの施術訓練などができる。
 1年間の「ビジネス基礎科」、2年間の「ビジネス実践科」の2課程を開校し、修了者には専門学校の卒業資格を与える。
 同学園が提携している民間企業などに就職を仲介し、就業後も同学園がスタッフを派遣して卒業生の精神面をケアして、受け入れ企業側の負担軽減にも努める。
 立命館大産業社会学部の峰島厚教授(障害者福祉)は「専門学校で充実した教育や職業訓練を積むことは企業にアピールする効果が大きい。優れた人材の実績が積み重なれば、各地に同様の施設が広がっていく可能性もある」と話す。
 問い合わせは「働き教育センター京都」(075・644・1701)か、「働き教育センター」(077・592・1717)へ。
2009年3月4日付 (読売新聞)
続きは・・・http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news/20090304-OYT8T00083.htm

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