2009年3月28日土曜日

定額給付金 寄付いかが 福祉、環境、国際平和…目的さまざま

 自治体によっては、支給が始まった定額給付金。支給に合わせ、寄付を募る団体も出てきている。生活弱者支援や教育、国際支援、環境保全など目的はさまざま。“臨時収入”を「少しでも世の中のために」という善意を募っている。
 定付金の支給額は一人当たり一万二千円。二月一日の基準日に六十五歳以上か十八歳以下の人は二万円になる。たとえば、三十代の夫婦で小学生の子どもが二人いる四人家族の場合、計六万四千円に。
 そんな臨時収入を寄付に回したいと考える人も多く、NPO法人「チャリティ・プラットフォーム」(東京都港区、佐藤大吾理事長)には「どこに寄付すべきかわからない」という問い合わせがあった。それを機に、同法人を事務局に全国八十のNPO法人が共同で寄付を募る「定額給付金基金」を設立。佐藤理事長は「信頼できる団体とともに、寄付金の使い道を提案している。寄付に回したいと考える人の受け皿になれれば」と浄財を募っている。
 八十団体が振り分けられた「教育」「医療」「国際平和」「地域」「芸術・スポーツ」など十七分野から選んで寄付する仕組み。六月三十日まで寄付を募り、集まった寄付金は、一割が事務局運営に、九割が各団体に配分される。
 同基金のホームページで、各団体ごとに「一万二千円の寄付で実現する」具体的な内容を提示している。
 たとえば「フィリピンの児童養護施設の子どもたち三十人が一週間に食べる野菜を作れる」(ACTION)、「一カ月間、ひとり親一・五世帯分の病児保育サポート」(フローレンス)、「生活保護受給家庭の子どもに週一時間半の学習機会を一年間提供」(ブレーンヒューマニティー)、「棚田一枚を一年間守れる」(自然環境復元協会)-など。
 八月にホームページ上で寄付結果や実際の使途が報告される。
 また、父子家庭支援を目的にしたNPO法人「ファザーリング・ジャパン」(東京都文京区、安藤哲也代表理事)は、父子家庭支援のために設立した「フレンチトースト基金」に、定額給付金の寄付を呼び掛けている。
 同基金の支援対象は、年収三百万円以下で小学三年生までの子がいる父子家庭(祖父母同居を除く)。一年間限定で毎月四万円、子どもの誕生月には一人につき五万円を支給する。ほかに、父子家庭支援団体にも年百万円を支援する。募集期間は四月一日から九月末で目標額は一億円。十月からの支給を目指している。
 安藤さんは「笑いたくても笑えない父親がいる。日本人は人情に厚いのに寄付文化がない。不況で自分の財布からは出しにくいと思うので『天から降ってくるお金』を投じて」と訴えている。
 このほか、NPO法人「日本禁煙学会」が禁煙推進などを目的とした「タバコ対策基金」も。足立区、品川区、大田区、八王子市、横浜市、川崎市、浜松市などの自治体も福祉や環境、子育て事業などを目的に、給付金の寄付を呼び掛けている。
2009年3月28日付(東京新聞)
続きは・・・http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2009032802000099.html

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