2009年10月20日火曜日

補助金不正流用:厚労省も認識「議員かかわる案件」

 全国精神障害者社会復帰施設協会(全精社協)の不透明な金の流れの解明に向け大阪地検特捜部は20日、元事務局次長の業務上横領事件に続き、補助金適正化法違反容疑で理事長、高野修次容疑者(55)らを逮捕し、組織的な補助金不正の強制捜査に乗り出した。障害者のための多額の公金が、どう使われたのか。特捜部は他の補助金収入も含め、全精社協の不透明会計の全容解明を目指す。【久保聡、村松洋】
 厚生労働省の07年度補助金3130万円のうち1800万円は08年3月、高野容疑者ら幹部6人の個人口座を経て全精社協の資金(基本財産)に流用され、うち1500万円が栃木県さくら市の障害者支援施設「ハートピアきつれ川」の運営費に使われたという。元事務局次長、五月女(そうとめ)定雄容疑者(58)はこれまでの取材に「上司の指示でハートピアの資金に使った」と説明。08年度の補助金1980万円のうち800万円は、栃木県からの補助金の剰余分返還に流用されたという。
 五月女容疑者や複数の全精社協幹部は特捜部に「申請通りに補助金を使わないことは厚労省担当者も知っていた」と供述。厚労省の複数の職員も任意聴取に「ハートピアの運営が厳しく、補助金の一部が運営費に使われていることは分かっていた」などと説明し、流用は厚労省も認識していたことが判明した。
 一方、五月女容疑者は「催しなどに来た厚労省の人に(理事らが)『お車代』として数万円を渡していた」とも供述しており、特捜部は厚労省側への金品の解明も目指す。
 さらに、逮捕前の五月女容疑者や全精社協元幹部は取材に、自民党前衆院議員に「全精社協の裏金から数百万円を裏献金した」と証言。さらに07、08両年度、全精社協側が前議員のパーティー券計約200万円分を購入していた。08年度補助金の受給前には、この前議員が厚労省側に電話し、全精社協の補助金事業委託に言及したことも判明した。
 一部職員は、特捜部の任意聴取に電話があったことを認め「議員がかかわる特別な案件と思った」などと説明したという。
 ◇「不正、前から」理事長との一問一答
 全精社協理事長、高野修次容疑者(55)は9月、毎日新聞の取材に補助金流用への直接の関与を否定。主なやり取りは次の通り。
 --五月女容疑者が「補助金流用は上司の指示」と言っていたが?
 自分でやっておいて人のせいにするなんて。僕が理事長になる07年4月以前から不正経理があった可能性が高い。
 --流用金が政治家のパーティー券などに充当されたというが?
 調査したが、全容は分からない。
 --07年度の厚労省の補助金のうち300万円が個人口座に振り込まれたそうだが?
 五月女容疑者が振り込んだ。「何のお金だ」と聞いたが「必要なお金だ」と言われ(全精社協の口座に)戻した。
2009年10月20日付(毎日新聞)
続きは・・・http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091020k0000e040081000c.html

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