2009年9月17日木曜日

[鳩山内閣発足]

希望持てる社会再生を
 歴史は動くだろうか。 政権交代を果たした民主党の鳩山由紀夫代表が93代目の内閣総理大臣に就任した。社民、国民新両党との3党連立政権が発足した。 
 内閣は国家戦略担当相と副総理に菅直人氏、外相に岡田克也氏、財務相に藤井裕久氏、厚労相に長妻昭氏ら実力者ぞろいの重厚な布陣となった。 
 社民から福島瑞穂党首が消費者・少子化担当相、国民新から亀井静香代表が郵政問題・金融担当相としてそれぞれ入閣する。 
 官主導の政治と決別することを宣言した鳩山首相の意気込みを示した顔ぶれといえる。 
 政治は大きな転換点を迎えた。新政府が政権公約(マニフェスト)の実現を目指せば、国民生活だけでなく、中央と地方の役割分担や日米関係を含む外交・安保政策も一変することになる。旧弊を打破するエネルギーは並大抵ではないが、硬直した政治・社会制度を刷新できるかどうか真価が問われる。  本紙アンケートで県内41市町村長の6割に当たる25人が新政権に「期待する」と回答した。支持の理 由はそれぞれだろうが、共通するのは疲弊する地方の閉塞(へいそく)感を吹き飛ばしてほしいという思いだろう。政権交代の意義は社会システムの新陳代謝を円滑化することにある。 55年体制の下で政権をほぼ独占してきた自民党は下野した。衆院選の大敗で党内の混乱が目につくが、28日の総裁選で選出される新リーダーの下に結束し、新政府を監視できる体制を整えてほしい。 沖縄側の注目点は外交・安保分野だ。連立を組む社民、国民新との微妙な見解の違いから、新政権のアキレスけんと指摘されている。外交・安保でつまずくと基地問題は一層混迷する。 鳩山首相、岡田外相、北沢俊美防衛相、そして小沢一郎党幹事長らがキーパーソンになるだろう。国際社会の中で日本の役割を見直し、新たな外交を切り開いていけるかにかかっている。 ルース米駐日大使と11日に面談した岡田外相(当時・党幹事長)は米軍普天間飛行場やインド洋での給油活動などについて、「持続可能な日米同盟を目指す中で諸課題に取り組むとの問題意識を(大使と)共有できた」と語った。 外交・安保政策を再構築した上で個別案件に臨む方針を鮮明にした。軍事偏重の片務的な同盟を見直すことで、基地問題の解決策を模索する考えであれば、沖縄問題は新たな道筋が展望できそうだ。 沖縄担当相は安保・外交、基地問題も詳しい前原誠司国土交通相が兼務する。軍用地の返還問題は従来、跡利用までに長期を要し経済損失が大きい。特別法を含めた戦後復興並みの確かな制度設計を望みたい。 政治の転換に地方がどう適応するかも課題だ。沖縄は復帰後の高率補助制度で公共事業主導の振興が続いたが、地域経済の体質改善を求められるだろう。時代を先取りする知恵が不可欠だ。 変革という歴史的使命に果敢に取り組んでほしい。
2009年9月17日付(沖縄タイムス)
続きは・・・http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-09-17-M_1-005-1_001.html

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