2009年9月19日土曜日

障害者団体元職員、強制捜査へ 大阪地検特捜部

 全国の障害者施設などでつくる社会福祉法人「全国精神障害者社会復帰施設協会」(全精社協、東京)が数千万円に上る不正な経理操作を行っていた問題で、元職員(58)=さいたま市=が捻出した裏金から千数百万円を着服した疑いが強まり、大阪地検特捜部は来週にも、業務上横領容疑で強制捜査に乗り出す方針を固めた。元職員は国の補助金から1800万円を、協会が運営する障害福祉施設の人件費などに不正流用した疑いがあることも判明。特捜部もこうした事実を把握しており、全容解明を目指す。
 協会関係者によると、元職員は平成16年2月ごろから辞職する昨年11月まで経理を担当。協会の口座から複数回にわたって千数百万円を個人口座に入金し、一部を競馬などの遊興費のほか、複数の国会議員への献金に流用していたという。
 また、19年度に厚生労働省から障害者自立支援の調査研究費として受け取った補助金のうち1800万円を、6人の理事に調査研究費としてそれぞれ300万円ずつ交付。直後に協会の別の口座に戻す手口で、協会が運営する障害福祉施設「ハートピアきつれ川」(栃木県さくら市)の人件費などに不正流用した疑いも持たれている。

 元職員は産経新聞の取材に「協会の金を個人口座に移したのは事実」としながらも、「政治家への献金も含め、流用はすべて幹部の指示だった」と釈明。着服した金の使途については「有馬記念の馬券を買ったかもしれないが分からない」とあいまいな返答を繰り返した。
 全精社協をめぐっては、19年、当時自民現職で厚労副大臣を務めたこともある前衆院議員のパーティー券百数十万円分を購入していたことがすでに判明。今年4月の厚労省による特別監査でパーティー券20万円分の領収書が見つかり、元職員は「ハートピアの運営権譲渡の際に便宜を図ってもらったお礼だった」としている。
 協会は6年12月に旧厚生省から認可され、調査研究費などの補助金を受けている。19年4月からは精神障害者がホテルで働きながら社会復帰を図る施設として注目されたハートピアの運営を、破産した財団法人から譲り受けた。その後、経営が悪化し今年3月にホテル部門を閉鎖。約1億円の負債を抱え、現在は併設している授産施設のみ運営している。
2009年9月19日付(産経ニュース)
続きは・・・http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090919/crm0909191139011-n1.htm
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