2009年5月16日土曜日

厚労省分割「社会保障」「生活」の2省新設…首相検討へ

 麻生首相は15日夜、首相官邸で開いた有識者らとの「安心社会実現会議」の第3回会合で、厚生労働省を医療・介護・年金などを所管する「社会保障省」と、雇用対策や少子化対策などを所管する「国民生活省」に分割すべきだとの考えを示した。
 年内にも発足する消費者庁とあわせ、国民生活を重視した中央省庁再編成に取り組む考えだ。
 首相は、「単に厚生労働省を二つに分割するというのではなく、国民の安心を所管する省を強化するという発想で考えてみたらどうか」と述べた。厚労省を分割する場合、「私の考えでは、『国民生活省』『社会保障省』と、いろんな表現がある」とした上で、〈1〉厚労省が所管する医療・介護・年金などの分野は「社会保障省」とする〈2〉厚労省所管の雇用、保育行政などに、内閣府所管の少子化対策や男女共同参画などの一部政策も含めて「国民生活省」とする――との案を示し、「もう少し詳しく詰めてみないとわからないが、そういった形で分けるべきではないか」と述べた。
 会議の席上、渡辺恒雄委員(読売新聞グループ本社会長・主筆)が、厚生労働省を「雇用・年金省」と「医療・介護省(庁)」に分割することを提言したのを踏まえたものだ。
 首相はさらに、2001年に自治省、郵政省、総務庁が統合して発足した総務省について、「巨大だ。分けて、役人の数は増やさないということもやった方が効率的になる」と述べた。厚労省、総務省が再編されると、01年に再編・発足した現在の中央省庁体制が抜本的に見直されることになる。省庁再編案は次期衆院選に向け、自民党の政権公約に盛り込まれる可能性がある。
 首相が、厚労省を分割し「社会保障省」や「国民生活省」の創設を検討する考えを表明したのは、少子高齢化や雇用、子育てなど、国民が感じる「不安」の要因が複雑化する反面、こうした政策分野を担当する行政組織が厚生労働省や内閣府など複数の省庁にまたがり、縦割り行政の弊害が懸念されているためだ。
 一方、01年に厚生省と労働省が統合して発足した厚生労働省は、09年度一般会計当初予算が25兆円という巨大官庁で、担当する行政分野も医療から年金、労働行政まで多岐にわたる。最近では、同省の外局の社会保険庁の年金記録漏れ問題が社会保障行政に対する国民の信頼を失墜させた経緯もあり、政府内でも、特に予算・業務が偏在する厚労省の組織見直しを求める声が出ていた。
2009年5月16日付 (読売新聞)
続きは・・・http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20090516-OYT8T00343.htm

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