2009年5月15日金曜日

民主代表選 政策どう違う? 

次の衆院選で政権を目指す民主党の代表は、近い将来の有力な首相候補になる。衆院選を、首相選びの決勝戦と位置づければ、民主党代表選は準決勝にあたる。そこに駒を進めた鳩山由紀夫幹事長と岡田克也副代表。同じ党の幹部だけに政策に大差ないのは当然といえば当然だが、十四日、両者が出した公約と、会見内容を比較するとそれぞれの「政権像」が透けて見える。 (民主党取材班)
■マニフェスト
 小沢一郎代表の下で積み上げてきた次期衆院選マニフェストを、転換するかどうかは政策面での注目ポイント。鳩山氏は出馬会見で「尊重したい」、岡田氏も「パーツとして(持論と)かなり共通している」と、基本的に踏襲する考えだ。
 農家に対する戸別所得補償政策、月額二万六千円の子ども手当支給という二〇〇七年参院選マニフェストの看板政策も、ともに次期衆院選で掲げる考えを表明。特に鳩山氏は「政治とは生活であるという小沢代表の主張は正しい」と強調し、小沢氏の生活支援路線を前面に出した。
 ただ岡田氏は、小沢路線との微妙な温度差も見せた。子ども手当については「一挙にやるのか、段階を踏むかは検討する」。「財源なくして政策なし」の原則を掲げ“ばらまき”と批判された小沢体制と一線を画そうとする姿勢がうかがえた。
■消費税
 消費税率をめぐっては、スタンスの違いがある。民主党は岡田氏が代表だった〇五年衆院選で、全額税負担の年金制度に移行する財源として、消費税を3%引き上げるよう主張。小沢氏が代表の〇七年参院選マニフェストでは税率引き上げは明記されなかった。
 鳩山氏は〇七年の流れを継承。「しばらくの間、消費税率アップの議論をする必要もない」と議論自体も封印する考えを表明した。
 一方、岡田氏は「あまり私が消費税を上げたがっている印象は持ってもらいたくない」とも述べたが、年金財源の確保のための議論は進めたい考えだ。
■社会保障
 この分野では両者の考えは、ほぼ同じ。
 民主党は従来、安全網整備を前面に出して自民党政権との違いをアピールしてきた。両氏ともこの路線は変える考えはないようだ。
■分 権
 鳩山氏が「地域主権」、岡田氏が「地方主権」を掲げ、二人とも大胆な分権に決意を示した。特に鳩山氏は、分権を政策の「最優先」と明言。「道州制は生ぬるい」と言い切り、強いこだわりをみせた。
■外 交
 鳩山氏は小沢氏と同じく国連中心主義を掲げた。またソ連と国交を回復した祖父・鳩山一郎元首相を意識してか「北方領土問題の解決をしていきたい」と述べた。
 一方、岡田氏は持論の「アジア重視」を前面に出した。公約に「国連」の文字はなく、両者の外交スタンスの違いが読み取れる。
■企業・団体献金
 両氏とも企業・団体献金の禁止を公約。
 岡田氏は、党政治改革推進本部長としてこの議論を主導してきたが、もともと全面禁止には慎重だった。公約でもあっさりした表現にとどまった。禁止する時期については十三日、「三年以内」と発言。鳩山氏も十四日「妥当な線ではないか」と同調した。
 党内に少なからずいる「即時禁止」派の議員には、物足りなさが残る主張だ。
■世 襲
 世襲制限については、両氏とも公約に盛り込んだが岡田氏の方が親族による同一選挙区からの連続立候補の禁止と、政治資金の相続を事実上禁じる法改正措置という二つの具体案を明文化した。父、祖父、曾祖父も政治家の鳩山氏も制限に前向きだが、この日は具体案に触れていない。
2009年5月15日付(東京新聞)
続きは・・・http://www.chunichi.co.jp/s/article/2009051590071024.html?ref=rank

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