2008年9月12日金曜日

「三笠フーズ」騙しのテクニック 酒メーカー「事故米」10倍以上で購入

 米粉加工会社「三笠フーズ」(大阪市北区)と関連会社が、残留農薬やカビ毒で汚染された「事故米」を食用として販売していた事件で、その「事故米」を酒造メーカーに対して仕入れ値の10倍以上の値段で販売し、巨額な利益を得ていたことがわかった。ある日本酒メーカーは「国産の酒米を注文したのに、とんでもないことだ」と詐欺まがいの手口に憤る。こうした「三笠フーズ」の販売手口はどんなものだったのか。
「国産の酒米」を注文したらタイ産の「事故米」が来た
農林水産省によれば、「事故米」は工業用糊、建設資材などの材料に限定して販売を許可。価格は購入業者の入札によって上下するが、1キロ10円以下で、通常のコメの15分の1ほどの価格という。「三笠フーズ」が食用として不正に販売したことが発覚したのは2008年9月5日。過去10年にわたりタイ、ベトナムなどから輸入された発がん性のあるカビ毒や、残留農薬が検出された「事故米」を正規のコメに混ぜ、食用の袋に詰め替え販売していた。農林水産省は08年9月9日、この汚染米を購入した酒造メーカー数社を発表した。
これらの酒造メーカーはなぜ、「事故米」を購入することになったのか。値段が安いため、製造コストを下げるのが目的か、とも思われるが、実態は全く違っていた。
「国産の酒米(さかまい)を注文したんです。かれこれ『辰之巳』(三笠フーズのグループ会社)とは30年の付き合いになります。100%国産米である、との証明書も出させていました。それが、外国産が混ざっているだけで大問題なのに、まさか事故米が含まれていたとは」
と、九州の名酒として名高い「美少年」を製造する美少年酒造(熊本県城南町)はJ-CASTニュースにこう答えた。
「辰之巳」とは長い付き合いだけに信用し、酒米の購入額も通常価格だっただけに二重にも三重にも裏切られた格好だ。同社は清酒1.8リットル瓶3万本の自主回収を発表。同約38万本分が在庫で残っていて、被害総額は1億円になりそうだという。それにしても、国産米と外国産米の見分けは付かなかったのか。
「酒米を破砕したものを仕入れています。そうなりますと国産と外国産の区別はつきません」
「辰之巳」は、酒造メーカーの信頼を裏切り、盲点を突いて「事故米」を販売したことになる。
続きは・・・http://www.j-cast.com/2008/09/10026673.html
2008年9月12日付(J-CASTニュース)

0 件のコメント: