2009年6月21日日曜日

生活保護患者の手術偽装、不正請求容疑 奈良・大和郡山

 奈良県大和郡山市内の民間病院が、入院中の生活保護世帯の患者数人に手術をしたかのように装って計百数十万円の診療報酬を不正に受給していた疑いが強まり、県警は21日にも、詐欺容疑で同病院などを家宅捜索する方針を固めた。県によると、同病院は生活保護費の受給者を多く入院させており、県警は、ほかの患者にも架空や不必要な検査、手術をした疑いがないか調べる方針。病院側は不正受給を否定している。
 生活保護世帯は、医療費の全額が公費でまかなわれるため、保護費の受給者を入院させたり、高額な治療を受けさせたりしやすく、全国の医療機関で不適切な診療報酬の受給が相次いで発覚している。
 捜査関係者によると、大和郡山市内の病院は、生活保護を受けている数人の患者に狭心症などの手術をしたと偽り、04年秋以降、架空の診療報酬明細書(レセプト)を奈良県社会保険診療報酬支払基金などに提出。少なくとも計百数十万円を不正に受け取った疑いが持たれている。
 病院側は、心臓の血管の拡張を維持するためステントと呼ばれる金網状の筒を挿入する手術などを施したとしているが、患者のレントゲン写真でステントが確認できない例があったという。県警は診療実態などについて、病院を経営する医療法人の理事長の医師らから任意で事情を聴く方針。
 奈良県の調査によると、県内の病院では、入院患者のうち生活保護費の受給者が占める割合は平均1割未満だが、この病院は最近まで5~6割超に達していたという。関係者の内部告発を受けた県は07年夏以降、同病院を数回、立ち入り検査。過剰な検査傾向や、手術後のカルテに医師の所見の記載がない例などが判明したため改善を求めた。
 理事長らは朝日新聞の取材に対し、「診療報酬の不正請求は全くない。大阪の病院などから紹介を受け、生活保護費を受給する入院患者が多いのは確かだが、必要な検査や手術をしている」と話した。同病院は99年7月に開院。外科、内科、循環器科などがあり、80床。
2009年6月21日付(朝日新聞)
続きは・・・http://www.asahi.com/national/update/0621/OSK200906200191.html

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