2009年6月13日土曜日

「机に隠れる」「外に出ない」地震の鉄則、本当なの?

 「グラッときたら、机の下に隠れる」「外に飛び出さない」は、本当に安全なの?――。文部科学省は、大地震が起きた時に身を守るとされる行動が実際に有効かどうか、科学的な検証に乗り出す。
 再現実験と過去の地震の調査などを基に専門家らが議論を重ね、家庭や学校、職場で推奨できる退避行動の指針を、国として初めて策定する。
 大地震時の行動については、総務省消防庁や各自治体が、パンフレットなどにまとめ、住民に注意を喚起してきた。だが、その内容は、昔からの伝承や、過去の経験から引き出した心得などをまとめたもので、有効性を厳密に確認したものではない。
 阪神大震災級の揺れを再現できる施設が、2005年に兵庫県三木市で稼働した。ここでの実験で、机やテレビが飛ばされ、重いコピー機が走り回るなど、室内の意外な危険性が判明。耐震性が低い建物は、瞬時につぶれる1階より2階の方が安全など、建物による壊れ方の特徴も明らかになってきた。
 2007年の新潟県中越沖地震では、家がつぶれる前に外に逃げ出し、九死に一生を得た例も報告され、勧められてきた退避行動が必ずしも適切とは言い切れないことを示すデータも増えてきた。
 文科省は来月、専門家による検討会を開き、こうした再現実験のデータや、過去の大地震での住民の行動調査などを基に、退避行動の検証を始める。大型震動台に乗ってもらい、人が大きな揺れの時に、どこまで動け、どんな心理状態になるかも調べる。
 直下型地震や長周期地震動など、揺れのパターンや大きさの違いに応じて、効果的な行動が変わるかも検討し、今年度末までに報告をまとめる。緊急地震速報が出た時の対応、学校や医療現場で必要な防災教育なども加え、来年度中に指針をつくる予定だ。
 群馬大の片田敏孝教授(災害社会工学)は「防災研究者の中でも退避行動の効果について議論はあった。国が検証することは重要だ」と話している。
2009年6月13日付(毎日新聞)
続きは・・・http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090613-OYT1T00556.htm?from=top

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