2009年6月29日月曜日

高校野球抽選会「最高だった」 車いすで主将と参加

 第91回全国高校野球選手権静岡大会の組み合わせ抽選会が27日、静岡市民文化会館で開かれ、交通事故で重い障害を負った浜松商業高野球部3年の斎藤諒さん(17)が抽選に臨んだ。 多くの球児が見つめる中、斎藤さんは内山秀利部長(55)に車いすを押され、杉浦貴拓主将(17)とともに壇上に上がった。同校はシード校で選ぶ抽選棒は2本のうち1本。杉浦主将が斎藤さんの手をとり斎藤さんの指示した抽選棒を引いた。 斎藤さんは昨年10月、事故で頸椎(けいつい)を損傷し手足が動かなくなった。同校の捕手としてレギュラーになった矢先だった。 抽選会への参加は、父の誠さん(42)が内山部長に依頼し実現した。兵庫県尼崎市の病院でリハビリ中だった斎藤さんはこの日のために退院を早めて24日、8カ月ぶりにわが家に帰った。 「最高だった」。緊張した様子で舞台袖に戻った斎藤さんは、誠さんに興奮がさめない様子で言った。じっと舞台を見つめていた母のゆかりさん(43)の目が一瞬うるんだ。同校は浜松工と飛龍の勝者と2回戦で対戦することが決まった。 抽選後、斎藤さんは練習試合を終えた浜松市中区の浜松商業高のグラウンドでチームメートと再会した。「元気か」「何かアドバイスないの」。待ちに待った様子のチームメートは斎藤さんを囲み、次々と声を掛けた。斎藤さんは笑い、「定期戦のバッティングじゃいかんぞ。おまえらと行かんと甲子園はつまらん」と普段通り強気に言葉を返した。
2009年6月28日付(静岡新聞)
続きは・・・http://www.shizushin.com/news/local/west/20090628000000000012.htm

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