2008年7月31日木曜日

政府の「安心プラン」、財源に不安の声も

29日に政府がまとめた社会保障の「五つの安心プラン」は、医師不足など社会問題化しているテーマに幅広く目配りした結果、約150の施策が並んだ。
 ただ、厚生労働省などの主張をそのまま盛り込んだり、過去の施策の焼き直しだったりと、付け焼き刃の側面が目立つ。財源も明示されておらず、完全な実現を危ぶむ声も上がっている。
 「こういう施策をきちんとやっていけば国民が社会保障に安心できる」
 舛添厚労相は29日の記者会見で胸を張った。
 プランでは、医師不足対策として、夜間・休日の救急医や産科医、へき地に派遣される医師らに直接手当を支給する制度の創設を初めて打ち出した。救急医療機関が激務で救急患者を受け入れられないケースが問題となっていたためだ。
 医師の給与原資となる診療報酬は医療機関に支払われるため、診療報酬の改定では、医師の働きに見合う給与を十分確保できないという指摘があった。厚労省幹部は「安心プランの要請がなければ、新制度創設は出せなかった」と語る。
 一方、「在職老齢年金制度」の見直しや基礎年金の最低保障機能の強化検討は、政府の社会保障国民会議の中間報告をそのまま取り込み、新味は見られなかった。フリーターの正規雇用化では、すでにある25万人の目標にさらに10万人上積みしただけだ。
 プラン全体に要する費用も確定していない。厚労省幹部は「財源を考えて作ったわけではなく、何が必要な施策かを考えた」と説明する。
 費用は、2009年度予算の概算要求に盛り込むことになる。施策の大半を所管する厚労省は、政府全体で公共事業関係費などの削減を徹底して工面する「重要課題推進枠」(3300億円程度)の活用で予算確保を目指す。舛添氏は同日夜のテレビ朝日の番組で、厚労省分だけで1500億円に上るとの見通しを示したが、地球温暖化対策など他分野の施策との奪い合いになる可能性が高い。財務省も「予算編成過程できちんと査定する」としており、プランの実現に必要な財源がすべて確保できるかどうかは明確ではない。
続きは・・・http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20080730-567-OYT1T00179.html
2008年7月30日付(読売新聞)

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