2008年1月23日水曜日

万能細胞+細胞シート・・・京大・阪大が共同研究

心筋再生治療
京大 iPSセンター設置発表

 人間の皮膚から様々な細胞に変化できる万能細胞(iPS細胞)を作製した京都大の山中伸弥教授と、筋肉から作った細胞シートで重い心臓病の治療に成功した大阪大の澤芳樹教授が、iPS細胞を使った研究を共同で行うことが決まった。世界初の二つの成果を組み合わせ、心筋の再生治療を目指す。京都大は22日、山中教授をトップとする「iPS細胞研究センター」の設置を正式に発表。万能細胞の応用に向けた研究が大きく動き出した。

山中伸弥・京大教授
澤芳樹・阪大教授

 澤教授らは昨年、患者の足の筋肉の細胞をもとにシートを作製。心臓移植が必要だった患者の心臓の周囲に張り付けて機能を回復させることに成功した。
 このシートは心筋にはなっていないため、iPS細胞を心筋細胞に変化させ、治療に生かしたい考えだ。 澤教授は「iPS細胞を使った新しい材料のシートを作り、多くの症例に使えるようにして実用性を高めたい」としている。

 京大の研究センターは、昨年10月に開設された世界トップレベル研究拠点「物質―細胞統合システム拠点」(中辻憲夫拠点長)の一部門。教授や准教授、研究員、技術職員ら10~20人でつくる「専任チーム」と、京大再生医科学研究所などから参画する「兼任チーム」数チームで構成される。

 iPS細胞を目的の細胞に変化させる技術や特殊な能力を獲得するメカニズムの解明、安全性の確認、より安全な作製方法の開発など、情報を共有しながら研究を進める。

 山中教授は記者会見で「基礎から臨床までカバーする、世界に開かれた研究施設にしたい。iPS研究は10年、20年と息の長い取り組みが必要なので、若い研究者を積極的に育てたい」と語った。
 当面は京都市下京区の民間研究施設「京都リサーチパーク」内の研究室を借り、2年後をめどに専用の研究棟を建設する。

 iPS細胞の研究は、国内の研究者を結集したコンソーシアム(共同体)を設け、オールジャパン体制で取り組む予定で、京大のセンターがその中心になる。

2008年 1月22日付(読売新聞)

続きは・・・http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20080122ke05.htm?from=goo

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